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「え、ちょ…、えっ?!?!」
「こんな時じゃなきゃ、二人でご飯食べるキッカケも作れないしさ」
「そ、そんなことっ!
いつでもお誘いお待ちしてますよっ?!」
「いつでも〜?本当に〜?」
「いつでもっ!365日、24時間っ!」
「あ、じゃあ泊まりもOKなの?」
「へっ?」
唐突なその問いに
私なんかがうまい返しも出来るはずがなく
固まる。
ただただ固まる。
.
「はは、冗談だよ」
.
そう言って
タクシーへとレディファーストしてくれて
ポスンと隣に座った藤ヶ谷さん。
いつもの藤ヶ谷さんの香りが
一気にタクシーに広まる。
.
「・・泊まりもOKですよっ?!」
「へ?」
「泊まりでも全然大丈夫です!!」
ズイッと身を乗り出した私に、今度は藤ヶ谷さんがあんぐりして固まる。
.
「お客さん、行き先はどこですかー?」
「あ、ここでお願いします」
その声にハッ、と我にかえる私と
運転手さんにスマホの画面を見せる藤ヶ谷さん。
.
「・・・」
「・・・」
そのまま走り出したタクシーの沈黙の中
カチッと、料金が加算される音とラジオの音。
.
や、やばっ・・、
引かれた・・?
心の中で焦りに焦りまくる。
もうっ!だって!!
北山さんが、藤ヶ谷に襲われてこいとか言うからっ!
変に意識しちゃって、変なこと言っちゃ、
「はははっ、」
そんな事を考えながらキョドっていると
笑い声が聞こえてきて隣を見ると、おかしそうに笑ってる姿。
「ごめん、あまりにも顔真っ赤にして言うもんだから笑っちゃったよ」
「えっ、赤いですかっ?!」
うそぉ!って両手で顔を覆うと
「お泊まり、楽しみにしてるね」
運転手さんに聞こえないように配慮したのか
少しだけ近づいた耳元で囁かれた。
その破壊力ったらもう、
全身がキューンって。
胸がキューンどころじゃなくて、
全身がキューンってなる。
.
「ここ、今から行くとこなんだけどさ〜」
全身キューンを堪能してると
照れたような笑顔を見せて、話題をすり替えられた。
お洒落な外観や、おいしそうなお料理がうつしだされてる藤ヶ谷さんの携帯を見ながら色々と話しかけてくれるも
もはや何も耳に入ってこない。
キューンが、強烈すぎて。
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はちみつ(プロフ) - 梓さん» お話読んでくださってありがとうございます。ご指摘されましたところ、全て訂正いたしました^^* (2018年10月8日 8時) (レス) id: 110603a9b6 (このIDを非表示/違反報告)
梓 - こんばんは(*^^*) 夜遅くにすみません...。 沢山の直しを言ってしまいすみませんでした(>_<) (2018年10月8日 1時) (レス) id: fa78cdaff1 (このIDを非表示/違反報告)
梓 - またまた続けてのコメントですみません。 物語読んでいて思ったのですが...。 34のここの台詞 「反則やん、あれは…っ」 主人公ちゃんって関西出身の設定なんですか? (2018年10月6日 0時) (レス) id: fa78cdaff1 (このIDを非表示/違反報告)
梓 - また続けてのコメントですみません...。 物語読んでいて気が付いたのですが...。 24のここの台詞 だって阿部ちゃんは、他に仲良さそうに人もいないし 地方まで来て、一人でご飯食べるなんて寂しいじゃん? これ正しくは他に仲よさそうな人もではないんでしょうか? (2018年10月6日 0時) (レス) id: fa78cdaff1 (このIDを非表示/違反報告)
梓 - 続けてのコメントですみません(>_<) これ棚じゃなくて椅子とか段差ではないんでしょうか? 低い棚ってなんですか? 聞いたことないのですが...。 (2018年10月6日 0時) (レス) id: fa78cdaff1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はちみつみゆ | 作成日時:2017年7月28日 22時