12 北山side ページ12
「ワン、ツー、スリー」
ダンスリハ中のスタジオ。
その広いスタジオの隅っこで何やらしている
ふと目に入ってくる、阿部ちゃん。
やたらとポーッと、藤ヶ谷ばっかり見てて
目がハートになってんし。
口も開いちゃってんし。
スタスタと近くまで何気なく行って
ポカッと頭を軽く叩くと、そこで初めて俺に目を向ける。
「見すぎ、仕事しろ〜」
「えっ、あっ、ごめんなさいっ」
「藤ヶ谷ばっか見てるな?」
「だから違いますって〜!!
見てませんっ!!」
・・嘘つけ。
俺がここまで近付いてくるのにも気付かないほどに、藤ヶ谷ばっか見てたくせに。
「つーか、何してんの?」
「ライブ構成の資料を人数分ホチキスでとめてます」
「…すっげ、雑用だな」
「もうっ!バカにするなら放っといてくださいっ!」
だいぶ打ち解けてきて、普通にこうやって会話できるような仲になってきて。
「ほら、北山さんも仕事してくださいよっ!」
「うわ、阿部ちゃんにだけは言われたくね〜」
「私はちゃんとホチキスしてますから」
青いホチキス片手に、ドヤッてるその姿に思わず吹き出すと
またバカにして〜!!ってぷりぷり怒り出す。
ん〜…、やばいな。
.
.
「かわいい、かも」
「え?なにが?」
「や、こっちの話」
ダンスリハ休憩中にそう呟くと、隣にいた二階堂が不思議そうに首を傾げる。
休憩中なのに、まだパタパタと走り回ってるその姿。
やたらと最近視界に入ってくるし。
あんなちっちゃい体で、目の前であんなにパタパタと頑張られると
放っておけねぇじゃん。
また昼飯も食べずに頑張ってんじゃねぇかな?とか、
またあの先輩に怒鳴られてんじゃねぇかな?とか、
男なら誰でも持ってるであろう、
守ってやらなくちゃ精神がすげーうずうずする子。
でも俺、あんな普通の子タイプだったっけ?
「…ま、いいや。集中しよ」
とにかく今はコンサートだな、うん。
しゃっくり女が可愛いかも、なんて思ってる場合じゃねぇな。
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はちみつ(プロフ) - 梓さん» お話読んでくださってありがとうございます。ご指摘されましたところ、全て訂正いたしました^^* (2018年10月8日 8時) (レス) id: 110603a9b6 (このIDを非表示/違反報告)
梓 - こんばんは(*^^*) 夜遅くにすみません...。 沢山の直しを言ってしまいすみませんでした(>_<) (2018年10月8日 1時) (レス) id: fa78cdaff1 (このIDを非表示/違反報告)
梓 - またまた続けてのコメントですみません。 物語読んでいて思ったのですが...。 34のここの台詞 「反則やん、あれは…っ」 主人公ちゃんって関西出身の設定なんですか? (2018年10月6日 0時) (レス) id: fa78cdaff1 (このIDを非表示/違反報告)
梓 - また続けてのコメントですみません...。 物語読んでいて気が付いたのですが...。 24のここの台詞 だって阿部ちゃんは、他に仲良さそうに人もいないし 地方まで来て、一人でご飯食べるなんて寂しいじゃん? これ正しくは他に仲よさそうな人もではないんでしょうか? (2018年10月6日 0時) (レス) id: fa78cdaff1 (このIDを非表示/違反報告)
梓 - 続けてのコメントですみません(>_<) これ棚じゃなくて椅子とか段差ではないんでしょうか? 低い棚ってなんですか? 聞いたことないのですが...。 (2018年10月6日 0時) (レス) id: fa78cdaff1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はちみつみゆ | 作成日時:2017年7月28日 22時