検索窓
今日:9 hit、昨日:15 hit、合計:805,244 hit

38 ページ40

「先輩、緊張してきちゃいました…」


「そんな緊張するほどの仕事、お前には任せてないけどな?」


「私にとっては大きいですもん」









本番まであとわずか

もう客席も埋まってきて、どんどん賑やかになる会場と共に
私の緊張感も高まってくる。









「あの、ちょっと抜けてもいいですか?すぐ戻るので…」


「どこに行くんだよ」


「ちょ、ちょっとそこまで…?」







もうやることはやりつくして、あとは始まるのを待つだけの中
そう先輩に恐る恐る聞くと
なにかを見抜いたようにニヤリとした先輩に
早目に戻ってこいよ、って背中を押された。









.









.






「藤ヶ谷さんっ!!」


「あ、Aちゃん」







抜け出して駆けつけた場所はここ。

藤ヶ谷さんの楽屋、の近くの通路での待ち伏せ。







どうしても
本番前に会っておきたかった。



本番前に会いに来られても迷惑なだけかもしれないけど
いてもたってもいられなくて。



これから、"みんなの藤ヶ谷さん"になる前に
少しでも、藤ヶ谷さんを感じたかった。









「今日全然、Aちゃんのこと見かけなかったらどうしたのかと思ったよ」


「色々バタバタしてて会えなかったんで、ちょっとだけ抜け出してきちゃいました」









もう衣装も髪型も完璧な藤ヶ谷さんが
わざわざ私を見て足を止めてくださったことで
なぜだかそう素直に伝えることができて、









「すげー嬉しい、ありがと」





とびっきりの笑顔で答えてくれる。









「頑張ってくださいね!余裕があったら見てますから!」


「いやー多分Aちゃんのことだから、余裕はなさそう」


「そんなことないですよー!
・・・たぶん。」


「はは、多分かい」








走ってきたことで、少し乱れてたのであろう私の髪を整えてくれながら
さりげなく触れてくるその指に、また熱を帯び始める。








「行ってくるね」


「はい!行ってらっしゃい…っ!!」









甘い視線を残したまま
指が離れる瞬間に、頭をポンポン二回してくれて
スタンバイへと向かう藤ヶ谷さんの背に
両手でガッツポーズをして見送っていると、









ひょこっと、楽屋から顔を出してきた北山さん。

39→←37



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (553 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
2283人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

はちみつ(プロフ) - 梓さん» お話読んでくださってありがとうございます。ご指摘されましたところ、全て訂正いたしました^^* (2018年10月8日 8時) (レス) id: 110603a9b6 (このIDを非表示/違反報告)
- こんばんは(*^^*) 夜遅くにすみません...。 沢山の直しを言ってしまいすみませんでした(>_<) (2018年10月8日 1時) (レス) id: fa78cdaff1 (このIDを非表示/違反報告)
- またまた続けてのコメントですみません。 物語読んでいて思ったのですが...。 34のここの台詞 「反則やん、あれは…っ」 主人公ちゃんって関西出身の設定なんですか? (2018年10月6日 0時) (レス) id: fa78cdaff1 (このIDを非表示/違反報告)
- また続けてのコメントですみません...。 物語読んでいて気が付いたのですが...。 24のここの台詞 だって阿部ちゃんは、他に仲良さそうに人もいないし 地方まで来て、一人でご飯食べるなんて寂しいじゃん? これ正しくは他に仲よさそうな人もではないんでしょうか? (2018年10月6日 0時) (レス) id: fa78cdaff1 (このIDを非表示/違反報告)
- 続けてのコメントですみません(>_<) これ棚じゃなくて椅子とか段差ではないんでしょうか? 低い棚ってなんですか? 聞いたことないのですが...。 (2018年10月6日 0時) (レス) id: fa78cdaff1 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:はちみつみゆ | 作成日時:2017年7月28日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。