キミトノキセキ

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それからというもの、毎日のようにみっくんは現れて
お気に入りのオムライスを食べて帰る。






「ねぇ、みっくんオムライス大好きだよね？」


「だってここのオムライス絶品だぜ？！」


「うん、知ってる
ここ私が働いてる店だしね」


「毎日食っても全然飽きない」


「たまには違うのも食べなよ〜」







分かった〜、ってまたオムライスをおいしそうに頬張りながら答えてるけど
絶対明日もオムライス頼むと思う。

だってこの会話、もう何回もしてるのに
結局はいつもオムライスだもん。








「ふふ、ケチャップついてるよ？」


「え？どこ？」





あまりに自然にみっくんが口元を差し出してくるもんだから
思わずその口元に触れそうになった。





「…や、自分で拭いてよ」






はい、って紙ナプキンを差し出すと
素直にその紙ナプキンでゴシゴシとふいてる。









「あのさ、今日仕事終わったら何か予定ある？」


「え？今日？特にないけど…？」


「じゃあちょっと付き合ってくんね？」









会社の人の寿退社のお祝いを買いに行くのに
独身男だと何がいいのか分かんないからって誘われた。





正直、すごく行きたいのに躊躇してしまう。









「あー…、やっぱ人妻さんを誘うのは無理？」




はは、って苦笑いのみっくんに
なんだか心が痛んでしまって





「…や、大丈夫！
お役に立てるか分かんないけど」


「お、まじ？！
じゃあ今日俺五時には終わると思うから、どっかで待ち合わせする？」


「うん、分かった」







こうして今日の約束を取り付けて
午後の仕事へと戻っていったみっくん。









・・渉、大丈夫かな。



少し不安に思ったものの
最近は機嫌がよくて何もされていないし
仕事が忙しいらしく、帰りはいつも十時過ぎだし
少しなら大丈夫だろう、と
心を弾ませていた。

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