キミトノキセキ

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━あれから三年









「Aちゃーん！！！」






久しぶりに、あの元バイト先へと行くと
あの頃と変わらない元気そうなその姿にホッとする。








「お久しぶりですっ！」


「や〜！お腹おっきくなってる〜っ！！」






くっしゃくしゃの笑顔で、私のお腹を撫でてくれる先輩。




そう、
あれからみっくんと付き合って
大切な命を授かりました。









「Aちゃんもママかぁ…
先越されたわぁ…」


「ふふ、あのイケメン彼氏はどうなったんですか〜？」


「それがさぁっ！聞いてよっ！！」






浮気してやがったよあの野郎！！、って荒れてる先輩に
仕事中だぞ、って店長からお叱りをうけて
近々のランチを約束して、渋々仕事へとまた戻っていった。









懐かしい、この雰囲気。


いまの幸せがあるのは、この店のおかげでもある。


あのとき、みっくんと出会えなかったら、

先輩が、みっくんに私のアザのことを話していなかったら。





そう考えると
本当に色んな奇跡が重なったんだなぁ、って思う。









.









「A、ごめんお待たせ」





仕事のお昼休憩、この店でランチを食べる約束をしてたみっくんが少し息を切らしながらやってくる。





「遅い〜！もう頼んじゃった」


「オムライス？」


「もちろん、そうだろうと思ってました」


「さすが」







相変わらずオムライスしか頼まないみっくん

疲れたぁ〜、って水を飲み干して
お腹に向かって話始める。







「パパ、お仕事がんばってきまちたよ〜」


「外でその赤ちゃん言葉、恥ずかしくない？」


「うん、恥ずい
だから一応小声で」






笑いながら、ぽん、って軽くお腹に触れて椅子に座り直すみっくんに
私も大きくなったこのお腹を優しく撫でる。









「この後またパパお仕事行っちゃうの寂しいね〜？」









━ぽこんっ、









すると、勢いよく蹴られたお腹に
思わず目を見合わせる。








「「めっちゃ今、反応したっ！！」」







すげー！！ってふたりで感動してると
運ばれてきた二人ぶんのオムライス。







「「いただきまーす♪」」









.









.









何でもない毎日が、笑顔に溢れて幸せなこと。


それを教えてくれたのは、みっくん。








キセキのようなキミとの出会い。









これからはふたり・・いや、三人で
平凡な幸せを築いていこう。









.







〜fin〜

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