好きって言わせる方法

７ 北山side ページ7

みかに出会って２ヶ月ちょっと



最初は、なんだこの子って思ってたけど
いつも健気に俺が来るのを待ってる姿を思うと
自然とみかが教えてくれる店番の日には店に向かうようになっていた








「みっくーん！！」






３０過ぎたいい大人がいつの間にかみかによって"みっくん"なんて呼ばれてて






「あれ？今日みかいる日だっけ？」





本当はいるのも知ってたくせにそう言って
えーっ、ていじけるのも素直に可愛いなぁとは思うけど









「いや、ないな」






さすがに１０代と付き合うとかそういうのは無理だわ




もし仮に付き合ったとしたらもはや犯罪になるじゃん、俺


そもそも、そういう経験すらしたことあるのかどうかも怪しいところだし








「うん、無理だわごめん」







そう言って、不思議そうな顔をするみかの横を通りすぎて風呂へと向かう









もし普通のシチュエーションで出会って
年齢だって近かったら有り得なくもないけど



今の俺には、１０代の子と付き合う勇気はなかった









.









「おっ！兄ちゃんサウナ行くか？」



「いいっすねー」






すっかり馴染みになったおじさんが声をかけてくれて一緒にサウナに入ると、またみかの話題






「最近みかちゃんと、どうだ？」



「どうって別に付き合ってるわけでもないっすからねー」



「若くて可愛くて、いいじゃねーか」



「いやいや、若すぎっすからね」



「そーかー？
はたから見たら仲良さそうだしお似合いだぞ？」



「いやいや…」







すっかり銭湯の馴染みの人達は
こうやって俺らのことを面白おかしく楽しんでる







「まっ、がんばれよっ！」




そう言われてポンっと肩を叩かれるけど




「いや、別に頑張りませんって俺は」







このまま通い続けてたら
いつの間にか周りやみかに流されてしまいそうな恐怖で思わずブルっと身震いする





「どうすっかなー…」





そう呟いて、もう暑さの限界だった俺はそのままサウナを出た

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