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「なんだよ、それ」
「え?」
「何だよ、それ、反則じゃん」
玉森さんの言葉はやっぱり分かりにくい。
「俺の音楽、顔以外いいとこ、あんの?」
「ありますよ!」
ん?顔以外?
今、さらっと言ってたよーな。
「ベースってギターに比べて地味なイメージありますけど、私はサウンドの土台を支えてる、低音のすごく良い音だって思ってます。
それに玉森さんの本当に優しく、繊細に楽器に触れてるとこ、大好きです。
しかも立ってるだけですっごくオーラがあるから、ギターみたいに派手に動かなくてもめちゃくちゃかっこいいし」
「もっと」
ん?もっと?
もっと褒めろってことなのかな。
素人ながらに素直な感想を一生懸命述べてると
突然笑い出す玉森さん。
「あ、あの、私なんかへんなこと
言いました……?」
「ううん、言ってない」
って言いながらまだ笑ってるし。
「つまりAは俺に辞めてほしくないんだ?」
「辞めてほしいわけないじゃないですか!」
「そっかそっか」
初めて見たかもしれない、
こんなにも玉森さんの楽しそうな顔。
少しだけ胸がドキドキした。
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「A〜、も〜眠い」
「やだっ、ちょっと起きて下さいっ
玉森さん、玉森さんてばっ」
いつの間に飲んでたんだろう、アルコール。
完全に、酔ってる。
だって真っ白な綺麗な肌が真っ赤だし。
「ホテル行こ、A」
「行きませんよっ」
「何だよぉ、ミツとはすぐ行ったくせに。
しりがるちゃんのくせに」
グサッ。
「行ってくんないなら
朝までここで寝る」
「だ、ダメですっ!」
「Aのケチー!初めてじゃないくせに」
グサグサッ。
「え、玉森さん?」
「スース〜」
「やだ、ほんとに寝ちゃった……」
まぁ、でもこのお店
朝までやってるからいっか。
テーブルに突っ伏して静かな寝息を立ててる玉森さんに自分の上着をかけると
今何時だろうと携帯を開いた。
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くまのこ(プロフ) - だいぶ出遅れました…はちみつさんとはちみつさんの書くお話が大好きです!終わらせずに受け継いでくださったことを感謝致します!他のお話楽しみにしてます〜!はちみつさん好き!!!! (2020年1月15日 11時) (レス) id: 9fffa79d91 (このIDを非表示/違反報告)
あき(プロフ) - はちみつさん!!全然気にならさらないでくださいーーー!!はちみつさんが書かれるお話は何でも大好きなので!!!←声を大にして笑!わざわざメッセージありがとうございます!!これからもコメントいっぱいさせていただきますっ!笑←迷惑な奴(笑) (2019年12月28日 18時) (レス) id: 773bebed2a (このIDを非表示/違反報告)
ユーミン(プロフ) - お疲れ様です。こちらは楽しく読ませてもらってるので書かれるのは大変だと思います。 (2019年12月28日 17時) (レス) id: 3a1ba1b625 (このIDを非表示/違反報告)
mora(プロフ) - なんと!!!消してしまうんですか!?えーん…このお話も、好きなのに残念です(T▽T) (2019年12月28日 16時) (レス) id: daf44fdab0 (このIDを非表示/違反報告)
みちこ(プロフ) - あら残念(^_^;)途中きっとこの北山さんは主を好きになるのかなと期待をしていたのですが(^_^;)作者様の意向ですから仕方のないことです(^_^)キラハグ、恋愛注意報は楽しみにしています!今年も沢山楽しませてもらいました(^^)良いお年を! (2019年12月28日 12時) (レス) id: 95022a0a60 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はちみつみゆ. ましろ | 作成日時:2019年10月2日 19時