嘘つきなキス

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「そういえば玉森さんの彼女は来ないんですか？」







だいぶ皆がほぐれてきた頃
気になってたことを聞くと、








「玉とみつは特定の彼女作んないもんな」


「あんまりファンの子に手出してほしくないんだけどね〜」


「宮田、もうみつに手出されてる奴がここにいんだから」


「あっ、まぁAちゃんはねっ、しょうがないよっ」








そんな宮田さん二階堂さんコンビの会話。

なんかすいません、ってな感じになってると
慌てて焦りながらフォローしてくれてる宮田さんはやっぱりいい人だ。









「そうですよね、玉森さんもひろもモテそうですもんね」


「別に俺モテないよ？
彼女は面倒くさいから作んないだけ〜」


「でもファンの子に手出してるって…」


「うーん、手出してるっていうかあっちから寄ってくるから」







……それを一般的にモテるというのでは。







「あ、じゃあ！
玉森さんはその日の女の子選ぶのに順番とかあります？」


「え？なにそれ？」


「今日ひろのファンの子に、順番守ってって言われたんですけど…
その順番に入るにはどうしたらいいのかと思いまして」






そう相談するとなぜかクリクリな目をさらに丸くさせて
次の瞬間には、あははって可笑しそうに声を上げて笑った。







「んはは、そんなの初めて聞いたんだけどっ」








いくらなんでも真面目すぎない？って
ふにゃっふにゃに笑ってる。

こっちは真面目に悩んで聞いたのに。









「絶対そんなのないと思うよ？
みついつも適当だし、乗り気じゃないと打ち上げ来たりするし」


「えー、じゃああの忠告はなんだったんだろ…」


「まぁ一人でもライバルを減らしたいんだろうね」








まだ笑いながらビールを口にして
耳を真っ赤にしてる。

笑いすぎなのか飲みすぎなのか分かんないけど、その耳がすごく可愛い。









「そっか、じゃあ適当なんですね」


「だと思うよ。
だからまた目立つようなことすれば注目浴びて選ばれるかもよ」


「あ、あれはわざとなわけじゃ…っ！」


「んはは、分かってるよ」








玉森さんまで知ってたなんて
よっぽど派手にぶつかってお酒ぶちまけたんだね、私…。

でも、それよりも
順番じゃないって言うのを聞いて少しだけ希望がもてた。

いや、でも適当だったとしても選ばれる自信もないんだけど…。

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