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どうしよう。
現在の時刻は朝の五時。
早くに目が覚めてしまった私は
彼の腕枕に頭を乗っけながら頭を悩ませていた。
起こすべきなのか。
このまま帰るべきなのか。
この前は私が起きた時にはすでに彼が先に帰っちゃってたけど
ホテルのお金は払ってくれてるし、先にいなくなるのも失礼かなぁと思い、動けずにいた。
「可愛い寝顔……。」
悩みながらも仰向けの体制から少し顔を横にずらしてみると
気持ち良さそうに寝てる顔が目に飛び込んでくる。
なんて無防備な寝顔なんだろう。
まじまじとその顔の観察に没頭していたら、
「?!?!」
パチっと彼の目が開き
あまりに驚いて声も出ずに固まってしまった私。
すると、
両手で引き寄せられて
ぎゅっと抱きしめられた。
「えっ………、」
え、え、ええ?!
すぐ側でスースーと彼の静かな寝息が聞こえる。
行為の最中はこのくらいの密着は普通にあったけど
行為中のテンションじゃない時にこの密着はやばすぎる。
息をするのも忘れそうなほど緊張して
静かに静かに、彼の胸の中に収まっていた。
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それから五分くらい経っただろうか。
思いのほか抱きしめられてる体勢がきつくて、
というよりも、彼に寄りかからないように踏ん張っていたせいで、
さすがにきつくなってくる身体。
少しだけ楽な体勢にもっていこうと身体を動かせば
同時に彼も、もぞもぞ動き始めて。
「・・・」
「・・・」
虚ろに開いた眠そうな目と目が合う。
まだ頭が働いていないのかしばらく見つめあったあと
再び目を閉じて、私の首元に顔を寄せて
猫のように擦り寄ってきた。
「……………おはよ。」
いつもより低くて掠れた声。
彼の熱すぎる体温も相まって
もう私はパニック寸前だった。
「お、おはよ………」
何とか絞り出した声は自分でも分かるくらいに震えて
それに気付いたのか、軽く笑う彼の振動が私の身体にも伝わってきた。
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くまのこ(プロフ) - だいぶ出遅れました…はちみつさんとはちみつさんの書くお話が大好きです!終わらせずに受け継いでくださったことを感謝致します!他のお話楽しみにしてます〜!はちみつさん好き!!!! (2020年1月15日 11時) (レス) id: 9fffa79d91 (このIDを非表示/違反報告)
あき(プロフ) - はちみつさん!!全然気にならさらないでくださいーーー!!はちみつさんが書かれるお話は何でも大好きなので!!!←声を大にして笑!わざわざメッセージありがとうございます!!これからもコメントいっぱいさせていただきますっ!笑←迷惑な奴(笑) (2019年12月28日 18時) (レス) id: 773bebed2a (このIDを非表示/違反報告)
ユーミン(プロフ) - お疲れ様です。こちらは楽しく読ませてもらってるので書かれるのは大変だと思います。 (2019年12月28日 17時) (レス) id: 3a1ba1b625 (このIDを非表示/違反報告)
mora(プロフ) - なんと!!!消してしまうんですか!?えーん…このお話も、好きなのに残念です(T▽T) (2019年12月28日 16時) (レス) id: daf44fdab0 (このIDを非表示/違反報告)
みちこ(プロフ) - あら残念(^_^;)途中きっとこの北山さんは主を好きになるのかなと期待をしていたのですが(^_^;)作者様の意向ですから仕方のないことです(^_^)キラハグ、恋愛注意報は楽しみにしています!今年も沢山楽しませてもらいました(^^)良いお年を! (2019年12月28日 12時) (レス) id: 95022a0a60 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はちみつみゆ. ましろ | 作成日時:2019年10月2日 19時