1 ページ1
.
━━━令和初のハロウィン。
パリピ気味な会社の同僚美月ちゃんから
初めて誘われたハロウィンコスプレ。
いつもの自分なら絶対断ってるのに
この時に限って断らずに浮かれた格好をして行ってしまったのは何故なんだろう。
それが、平凡で平穏な私の日々を壊すことになってしまうことも知らずに──────。
.
「ねぇ美月ちゃん、これで外出歩くの…?」
「そうだよ、ちょっと地味?」
「いやいやいや、その逆っ!」
これ定番だよ、って渡されたのは
かなりみっっっっじかいスカートと
大してない谷間が見えちゃうくらい胸元がざっくり開いた衣装。
そして頭には魔女みたいな三角帽子。
魔女コスプレらしいけど
こんな魔女いないから、絶対。
「ほらとりあえず行こっ!
早く行かないと凄く混んじゃうのよ〜」
「ええ…っ、ちょっ、」
急かされるように美月ちゃんの家を出れば
空にはもう秋なんだなぁ、と思わせる綺麗な夕焼けが広がっていて。
でもそんなのに浸ってる暇も余裕も今はなく。
「スースーする……」
「慣れだよ、慣れ」
「私みたいな地味な女がする格好じゃないよ、これ……」
「だぁいじょぶ!凄い可愛いよ!」
スカートの裾をグイグイ下に引っ張りながら背中を丸めて歩く私と対照的に
堂々と長い足を覗かせて歩く美月ちゃん。
はたから見たらきっと、月とスッポン。
天と地の差だと思う……。
.
「うわぁ、さすがにもうすごい人だね」
「うえ〜…、もうすでに嫌なんだけど…」
ハロウィンの定番らしいスクランブル交差点に着くと
辺りはもうすでにカラフルな衣装を身に纏った人達でごった返していた。
「そういうとこだよ、Aのダメなとこっ」
「だって……、」
「いつまでも会社と家の往復ばっかじゃ
なーんにも楽しくないでしょ?」
別にそんなことないもん。
往復ばっかりの毎日でも
たまにちょっと豪華な美味しいもの食べたりするし
飲みに行ったりだってするし。
(女だらけのだけど)
「…………はぐれないでね?」
「うん……」
でもせっかく私のためにと連れてきてもらったんだし何も言えなくて
美月ちゃんのヒラヒラしてるスカートを握りしめて一生懸命後を付いて行った。
1304人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
くまのこ(プロフ) - だいぶ出遅れました…はちみつさんとはちみつさんの書くお話が大好きです!終わらせずに受け継いでくださったことを感謝致します!他のお話楽しみにしてます〜!はちみつさん好き!!!! (2020年1月15日 11時) (レス) id: 9fffa79d91 (このIDを非表示/違反報告)
あき(プロフ) - はちみつさん!!全然気にならさらないでくださいーーー!!はちみつさんが書かれるお話は何でも大好きなので!!!←声を大にして笑!わざわざメッセージありがとうございます!!これからもコメントいっぱいさせていただきますっ!笑←迷惑な奴(笑) (2019年12月28日 18時) (レス) id: 773bebed2a (このIDを非表示/違反報告)
ユーミン(プロフ) - お疲れ様です。こちらは楽しく読ませてもらってるので書かれるのは大変だと思います。 (2019年12月28日 17時) (レス) id: 3a1ba1b625 (このIDを非表示/違反報告)
mora(プロフ) - なんと!!!消してしまうんですか!?えーん…このお話も、好きなのに残念です(T▽T) (2019年12月28日 16時) (レス) id: daf44fdab0 (このIDを非表示/違反報告)
みちこ(プロフ) - あら残念(^_^;)途中きっとこの北山さんは主を好きになるのかなと期待をしていたのですが(^_^;)作者様の意向ですから仕方のないことです(^_^)キラハグ、恋愛注意報は楽しみにしています!今年も沢山楽しませてもらいました(^^)良いお年を! (2019年12月28日 12時) (レス) id: 95022a0a60 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:はちみつみゆ. ましろ | 作成日時:2019年10月2日 19時