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"KISS"は来年からレーベルはインディーズのまま
メジャーレーベルと業務提携をいう形でメジャーデビューを果たすことが決まったよと教えてくれる裕太。
「あくまで桜井さんのレーベルに所属していたいって。ミツらしいよね」
裕太はお家デートではなく、完全個室の居酒屋を予約してくれて
そこで3ヶ月ぶりに私達は会った。
「業務提携って対等ってことだから。相手のVEXもうちが桜井さんのレーベルだから妥協してくれたんだと思う」
「すごいね、インディーズデビューから1年でメジャー提携なんて」
「ほんと環境が一気に変わっちゃってさ、正直怖いくらい。俺らは何も変わってないのに周りの対応全然違うし」
不安そうに笑う裕太に「大丈夫だよ」って声をかけることしかできなかったけれど、裕太の不安は少し分かるような気がした。
こうして人目を気にしてプライベートを過ごさなければいけないことだってきっと相当ストレスなはずだから。
「女関係も絶対に撮られるなって。
なんか次の新曲がタイアップらしくて、そういうスポンサー側からのイメージ?壊すことはするなって。
あ〜、音楽以外に気使うことが多すぎでめんどくせぇ」
そうか、
だから裕太は私を家には呼ばなかったんだ。
それが有名になるってことで、
ファンがたくさんつくってそういうこと。
「結局、アイドルバンド扱いなんだよ」
裕太は何度も自嘲気味に溜め息をついていたけれど
私はそうは思わなかった。
音楽的才能とアイドル性の両方があるなら
それはとても無敵で、もっともっと彼らの音楽が世の中に広まっていくから。
音楽的才能があっても、世の中に出れない歌手もバンドもたくさんある。
多くの人に注目されるのに、魅力的であることは絶対に武器だから。
「頑張って、裕太。応援してるから」
もっともっと彼らの音楽が有名になるように。
多くの人に愛されるように。
「明日早いんだわ。そろそろ帰らないと」
明日何故かメンズファッション誌の撮影の仕事があるんだわ、と肩を竦める裕太。
色々な媒体への露出は宣伝になるからだろう。
特にビジュアルの担当を担っている裕太にはそういう仕事が多く舞い込んでくるらしかった。
先に会計を済ませてくれて店を出る裕太を見送って
10分後ぐらいに店を出れば、
「ええ?!すっごい人なんだけど」
あっ、
すっかり忘れてたけど今日は─────
ハロウィンの日だった。
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作者名:はちみつみゆ. ましろ | 作成日時:2020年1月9日 18時