19 北山side ページ19
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「ところでミツ、会場でお酒ひっくり返した子とは続いてんの?」
「よく覚えてんなー。続いてるわけないから」
そう言えば、あの時Aを連れ出すのを横尾さんにも見られてたっけ、と思い出した俺は笑いながら否定する。
「大事な時期だからね、ちゃんと禁欲生活してますよ」
俺の言葉にほっとした表情になる横尾さん。
「偉い。あと禁酒、禁煙もな」
「いや……全部は無理だわ」
正に今手にしている煙草と目の前のジョッキを見ながら苦笑すると、
「"KISS"がビックになったら俺、転職してマネージャーになろっかな」
「え、まじ?本気ならすげー嬉しいんだけど」
突然の横尾さんの爆弾発言にテンションが上がる。
「横尾マネージャーがいたら心強いわマジで」
「じゃ、前向きに考えよっかな」
「実現したら完璧な"KISS"になるって、よこーさん」
興奮しすぎて思わず横尾さんに抱きつくと、
「太輔は?」
不意に耳に入ってきた名前に、一瞬身体が強ばった。
「太輔がいれば、完璧だよ」
「今更何言って。もうあいつは関係ないだろ」
「でも千賀も戻ってきたじゃん、なら太輔だって「関係ねーんだよっ、アイツはもう!!」
思わず苛立って大声を上げてしまった俺のことをびっくりした顔で見る周りの人達。
慌てて周りに頭を下げ、横尾さんに向き直った。
「戻ってくるはずねーんだから、もうその話はやめようぜ」
感情を押し殺した低い声で
精一杯それだけをそう伝える。
しばらく迷ってるみたいに俺を見ていた横尾さんが
やがて意を決したように口を開いた。
「太輔は今も音楽やめてないし、あいりとも別れてるよ」
「は?」
耳を疑った。
藤ヶ谷があいりと別れてる─────?
「どういうことそれ」
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横尾さんが説明してくれた2人のその後に
俺は怒りしか込み上げてこなかった。
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作者名:はちみつみゆ. ましろ | 作成日時:2020年1月9日 18時