MAD BOY

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『…わかった 別れる…』




別れる とは言っても自分から振ったりはしないけれど


一成がこうなった時には毎回振られることになるから


だからたぶん 今回もそうなんだと思う




一「…うんっ ありがと」



わたしを抱きしめていた腕が弱まって身体が少し離れたと思ったら



ちゅ



と一成とわたしの唇が重なる




一「んぅ…」


『…いっせえ？』



一「…Aっ」




きっと誰にも理解されないのだろうけれど




というか理解されなくていいのだけど




わたしと一成はただの姉弟ではない




こころの面でも からだの面でも お互いを強く求め合っている




不思議な姉弟(かんけい)




一「A…？」




唇は離れているが顔はかなり近い距離のままで



『ん？』



熱を孕んだ瞳に見つめられ頬に手を添えられて




一「俺にはAだけなんだ」



『…ぅん』






一「だから…Aにも…俺だけでいいでしょ…？」







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