MAD BOY

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寝る支度を終えてふたりでベッドに入る



祥「ねぇ」


『ん？』


祥「すきって言って？」


『どうしたの急に(笑)』


祥「いいから」


『なんでよ(笑)』


祥「言ってよ」



急にそんなこと言い出すから困って固まっていると



祥「言ってくれないんだ」



と拗ねた顔をする祥生くん



祥「Aちゃん


僕にすきって言ってくれないよね」



『え...』



祥「僕がすきって言っても


“うん”しか返してくれないし


ましてやAちゃんの方からすきって言ってくれたことなんか無い


いつも僕から


僕だけなの」



『...』




祥「Aちゃん


本当に僕のことすき？



僕いつもこんな感じだからさ


もしかしたら嫌われてるんじゃないかって」




確かに




わたしは“すき”と言うことがほとんどない


でもそれは好きじゃないからとか


嫌いだからとかじゃない




『ごめんね


わたし


“すき”って伝えるのが苦手なの

緊張しちゃうの


だから

嫌いじゃないよ？』



ちゃんと好きだよ？



祥「じゃあ...すき？」


『うん...』


祥「うんじゃなくて」




『すき


...いちばんすき』



祥「いちばん...？」



『うん？』



祥「じゃあ2番もいるってこと？


はぁ... 無理... しにたい...」


『え.. ちがっ』



急に起き上がって


枕元の引き出しからカッターを取り出して左腕に突きつける祥生くん



『あっ待って』



辛そうな顔をしている祥生くんを見て何とも言えない気持ちになって


祥生くんを抱きしめる



『祥生くん


すきだよ


すきなのは祥生くんだけだよ』


祥「Aちゃん...


ほんと？ほんとう？


疑ってる訳じゃないけど...


信じられない...


うわぁ... なんで信じられないんだよ...


せっかく言ってくれたのに



しにたい...」


『もぅ...


わたしには祥生くんだけだから


しにたいなんて言わないで...？』



祥『...ありがとう


Aちゃん


僕もだいすきだよ』





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