MAD BOY

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『え...？』




柔らかな笑顔を浮かべる翔也くんの右手には



ナイフが握られていた



翔「怖いですか？」



急な事すぎて脳が反応できずにいる


でも命の危険を感じて体が震え始める



翔「大丈夫です


怖がらなくていいですよ


安心して？


僕に身を委ねて？」



翔也くんの優しい微笑みが怖い



次の瞬間



『痛っ...』


太腿に痛みを感じる


ナイフで切られたと理解するのに時間はかからなかった



翔「ふふっ 綺麗です」



血のついたナイフを見てまた微笑む翔也くんは


ナイフの血を舐め取ると満足そうにわたしを見つめる



翔「逃げないんですか？」



本当に恐怖を感じると人間って動けなくなるんだね...


全く動けないわたしを見て翔也くんは服を捲ってお腹を切りつけてきた



『っ...！？』


何が起きているのかわからないけどとにかく翔也くんが怖い



翔「あ 思ったより深く切っちゃった

まあ関係ないか


痛いですか？大丈夫？」



人を切りつけておいて大丈夫？と聞くのはどういう神経をしているんだろう


この人は確実におかしい


でも体が動かないから逃げようにも逃げられない


怖い


どうしよう



恐怖に涙が止まらないわたしを見て翔也くんは


切りつけた部分にちゅと優しくキスをする



翔「僕 Aさんの事が好きなんです


大好きで大好きでどうしようもないんです


誰かのものになるなんて絶対嫌なんです


僕だけのものにしたいんです



だから」







僕に殺されてください？






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