MAD BOY

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木全くんとお茶する日



待ち合わせの場所に行くと



そこに居たのは



『景瑚くん......？』



木全くんではなく


景瑚くんだった



景瑚くんはわたしの声に気がつくと顔を上げてわたしのことを数秒見つめた後


わたしの腕を掴んで歩き始めた



訳がわからないままついていくと


そこは景瑚くんのお家だった



わたしを部屋に入れて靴を脱がせ ドアに鍵をかけると


わたしを抱きしめて


景「Aのばか」


と言った



そのまま部屋の中に連れてこられたわたしはソファに座るよう促された



景瑚くんも隣に座って


わたしのことを見つめる景瑚くんをわたしも見つめ返した


怒られる


直感でそう感じた



でも景瑚くんは優しい笑顔を浮かべながらこう言った



景「Aは危機感がなさすぎるね」


『...』


景「ふらふらすぐ何処かに飛んでいっちゃいそうで
俺はすごく心配だよ」


『ごめんなさい...』



景「もう外に出なくていいよ」


『え...？』


景「就活 うまくいってないんでしょ？


俺が養ってあげる」



景瑚くんは淡々と続ける



景「いつかはこうするつもりだったけど

Aが今日みたいなことまた繰り返すかもしれないと思ったら俺耐えられない


俺の側にずっといて？


離れないで？」



その日からわたしは景瑚くんのペットになった



外とのつながりは絶たれ


スマホも没収された


アルバイトを辞め


一人暮らしをしていた部屋も解約した



でも想像していたほど辛い生活ではない



景瑚くんはわたしにお洋服をたくさん買ってくれる


もちろん全部景瑚くんが選んでくれたもの


好きなものもたくさん食べさせてくれる




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