【HQ】ネコさんのマネはキツネさんのマネになりました。

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稲荷崎高校バレー部部員は戦慄した。北に言い返す人が今までに1人もいなかったからだ。俺の横に立っていた同期の角名も「すげー…」と笑って傍観している。

1年生2年生はもちろん、3年生もそのAの発言に固まった。宮兄弟もハラハラしていたが、その心配はなかった。



「…………ははっ、確かにせやなぁ、すまんかった」



だいぶ長い時間(のように思えた)の後、北が笑って答えたのだ。北が笑うこともレアだったが、北を言い負かしたことに部員全員驚いた。



「今までバレーの経験は？ある？」



「中1から中3までバレー部入ってて、高1ではマネージャーやってました！」



「ん、十分やな、仕事大体わかるか？」



「水道とか備品の場所教えて頂けたら、大体はいけると思います」



北は微笑みながらわかった、と返し、部活の準備をしながら遠巻きに見守っていた部員に集合！と声をかけた。



「まぁとりあえず1週間は仮入部って形でマネージャーやってもらうことにするわ。2年の真白Aさん。皆備品とか諸々の場所とかいろいろ説明したって」



「よろしくお願いします！」



『よ、よろしくお願いします…』



北を言い負かした女、として部員全員に当分ビビられていたことは言うまでもない。


−−−−−−−−−−−−−−−−

「A！一緒に帰ろ！」



部活が終了し、片付けも終わったため、侑はAに声をかけた。



「おん、帰ろか」



「てかお前、北さんによーあんなん言えたな、怖ないん？怖いもんないん？」



「いや、あの人一見怖いかもやけど、話はちゃんと聞いてくれる人やろ、全然怖くないで」



話を聞いてくれる人、というのはわかるが、それと怖い怖くないは別だと侑は感じた。



「あ、そうや、今日ほんまはAと2人で帰りたいところやねんけど、せっかくやから2年で帰ろってなったねん！これからの仲間やからなかよーしとき」



「さっきちょっと喋ったけど、同じクラスの銀島結！よろしく！」



「2年1組の角名倫太郎。治と同じクラスだよ。よろしく。」



「2人ともよろしく！これからがんばろな！」



そして先輩にお疲れ様ですと声をかけ、4人で帰路についた。

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