【d!】出来心だったんです【短編集】 (ページ3)

今日:4 hit、昨日:0 hit、合計:450 hit

赤い彼ページ3

『お、おはようトントン…』
「はい、おはようさん。ところでこの下着はなんなんですかね」

声をかけられた瞬間に腕は引いたものの完全には間に合わず、手のひらは彼の腕に挟みこまれ
いまだ彼の胸元には下着が乗っている状態だ

『ちょっと…ね、あの悪戯というか』
「ほーんずいぶんおもろいことするやん」
怒ってます？寝起きにも関わらず圧のある彼に思わず敬語になってしまった
「いや、怒ってへんけど…こういうの趣味なん？」
『いやいや！私もそんな趣味ないからね、りっぱなお胸をお持ちだなと思って』
「まあおれデブやけど流石にAほどのものついてへんで
あとそれ以前にホック回らへんやろ」
それまで挟まれていた手をトントンの背中に回すように引かれた

『た、たしかに…』

たくましい彼の胸囲に腕を回すだけでも一苦労だ
あれ、ここまでくればワンチャンあるのでは？
わずかな可能性にかけ、さっきよりもぎゅうぎゅうとホックを引っ張る努力をしたところで

トントンから体ごと引きはがされた

『あっ痛かった？ごめん』
「そうやなくて…」
顔はそらされているせいで表情まではよく見えないが照れているのだろう耳が赤く染まっていた
ふと我に返ればこの体勢って…

無意識に密着していることに気づきこちらも恥ずかしくなってしまったので、

解放されたことをいいことにベッドから離れる
じゃあ、朝ごはんの用意するね！
枕に顔をうずめる彼をベッドに残し、パタパタとリビングに向かった

－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－

ぱたんと扉が閉まり枕から顔を上げる
彼女がベッドから離れる間際名残惜しさに手を引こうとしたが自身のスウェットを
ワンピースのように身にまとう姿を見て思考はとまりバフンと顔を枕にたたきつけた
「朝からもうあかん…刺激ありすぎやろ」
頭を冷やすためにのそのそと重い腰を上げ作業に取り掛かったものの
普段には見られないほどの編集ミスが多発したという

ut「トントン今回の動画ミス多いな、なんかあったん？」
tn「聞かないでくれ…しゃあないんや…」

ピンクの彼→←青い彼