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_____彼奴を呼び続けてどのくらい時間が経っただろう。

自分の贖罪の為にならこんなに長く何かをし続けられるのかと嘲笑する。

…祈ったって何も現状が変わらない事は、重々承知している。ただのエゴ、自己満足だ。
俺は許されたかった。

俺の歪んだ、これを何処かへ押し付けて捨てたかった。



「……帰ろ」




何だか馬鹿馬鹿しくなって、顔を上げて視線を向けたその先に、









「_____え?」






俺よりも一回り、二回り、いやそれ以上大きな顔が、水に浮かんでいる!



「な、………え、は!??!?!?」




思わず後退り、逃げようと______したが、そう上手くいかないものだ。


岩の段差に足を取られた俺の視界がぐらりと傾く。



ああクソ!もっと運動しとくんだった!




今更何を思ったって遅いのだ。
まぁ、お察しの通り、蹴躓いた俺は兄の二の舞を覚悟した_____が。



ふわり、俺の体と同じぐらいの大きさの掌に、優しく抱き留められた。
形こそ其れだが、硬い。
そろりと其方に目を遣れば、鱗のようなもので覆われているらしかった。

ゆっくりと体勢を直され、地面に下ろされる。



「…ありがと、う」


小さな声でそう告げた。得体の知れない其れに何を感謝の言葉など。いや、寧ろ一周回って頭が回っていないのかもしれない。



色々を整理しきれないまま、恐る恐る自分を助けた其奴の顔らしき部分に目をやる。








が。









「…………………からまつ?」

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作者名:琉唯 | 作成日時:2017年5月27日 4時

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