今と未来、僕と君 16 (ページ44)

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助けなきゃ、守らなきゃ、そう思ってた人の背中が

今は自分の目の前にある

絶対にいなくならない、消えない

そんな保障はどこにもないことくらいAだって分かっている

それでも何故か良太郎がそうと言ったのなら

必ずそうなる気がしてならない

理由なんてどこにもなくて

彼が言ったからそうなんだ、としか言えない

Aが知る人物の中で最も頑固で揺るがない気持ちを持った強い人間がそう言い切ったのだから

モモタロス｢俺、参上！！｣

モモタロス｢随分あちこちで暴れ回ってくれたな！俺たちに前振りはねぇ、最初っから最後までクライマックスだ｣

先のことなんてわからない

この先の未来がどうなってるかなんて知らないし

まだ知らなくていい

ただずっと一緒にいたいと思った人と

同じ時の中で変わらない日常で笑っていたい

｢電王…また俺の邪魔をするのか｣

モモタロス｢うるせぇ！元はと言えばテメェがそこにいんのが悪いんだろうが｣

｢まぁいい、1人増えたところで状況は変わらない｣

｢記憶の核だけは何としてでも…｣

モモタロス｢させねぇっつってんだろうがしつけぇな！｣

さっきまでは割としんみりとした

重苦しい空気だったはずなのに

良太郎…いや、モモタロスがこの場に来た途端

一気にいつもの空気に逆戻り

どんな時間の中にいようと変わらないものが

確かに存在していた

頬を伝っていた涙が自然と止まってしまうくらい

いつも通りの慣れ親しんだ空気感に安心感を覚える

モモタロス｢おいA！！｣

A｢モモタロス……｣

モモタロス｢俺はウジウジしてるヤツは嫌いだ｣

A｢うん、知ってる｣

モモタロス｢けどよ、それとこれとは話が別だ｣

A｢え？｣

モモタロス｢1人じゃ無理だって思ったんなら俺たちを頼れ｣

イマジンの頭を剣でぶん殴ったかと思えば

Aの方を一切向かずに

普段は絶対に言わない言葉をAにぶつけるモモタロス

その言葉はモモタロスだけのものではなく

モモタロスを含めた"全員"の言葉

A｢…………うん、そうする｣

目の縁にある涙を拭い

安心したように笑うA

直接その顔が見えなくても

Aが今どんな気持ちで、どんな顔でいるのか

それくらいはわかる