無気力組なんでしょ？【無気力組】

episode.28「憎まれ口」 ページ29

「…僕、君の彼氏に立候補するわ」




「ちょっと待て」





遂に蛍まで……いや、

はじめからオカシイか。





「何言ってるかちゃんと頭で理解してる?」

「君に言われたくないんだけど」





憎まれ口は相変わらずのようで。





「えっと……」

「じゃ、これから宜しく、A」






そう言って蛍は部屋を出て行った。





「…何、ドキドキしてるんだろう、私」





・





ばふっと布団に倒れこむ。





『…僕、君の彼氏に立候補するわ』





先程の言葉を思い出して、顔が紅潮する。


どう、対応すればいいのだろう…。





「はああ…っ」





大きな溜め息と共に、睡魔に襲われる。


頑張って起きていようとするも、

上目蓋と下目蓋が仲良すぎて死にそうだ。




数分後には、私は

意識を手放していた。





・





「……んぅ…」





目が覚めると、あたりは暗い。



時計に目を移すと、

午前二時という中途半端な時間だ。



再度眠りにつこうとするも、一度起きてしまうと

そうそう寝つけないものだ。





「はぁ、中途半端すぎ。

…まあ明日は休みだし、もう少し起きとこう」





私はカーディガンを羽織り、

本を持って部屋を出た。








・

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