信仰17 ページ20
その次の日。
随分とポートマフィア内が騒がしかった。
なんでだろうかと思ったけど結局太宰さんの所に向かうのだからその時に聞けばいい。太宰さんは昨日大きな仕事を片したはずだから今日はきちんと仕事を聞きに行かないと。
その前に、太宰さんに珈琲でも淹れてリラックスしてもらおうかな。
そんな風に思って珈琲を淹れ、シロップとシュガーを一つずつお盆に乗せて太宰さんの仕事部屋に向かう。
たまに電話をしながら廊下を走り抜ける人も居て、やっぱりどこかポートマフィアは騒がしい。忙しいんだろうなぁと人事のように思いつつ太宰さんの仕事部屋の扉を叩く。
コンコンっというノックの後に「佐倉です、入ってもよろしいですか?」と声を張り上げた。
こう言うと太宰さんはいつも「はいどうぞー」とかなり適当な返事をする。
太宰さんのことだから扉の前の気配くらいは分かるのだろうけど、ポートマフィアの五大幹部が自分の部屋にそんな簡単に入れちゃってもいいのかなとも思う。
しかし今日は、太宰さんの返事が返ってこなかった。もう1度「太宰さーん?」と言ってもやっぱり何も返ってこない。何か嫌な予感が突き抜けて、「失礼します」と言って部屋を開けた。鍵は開いていたけど、そこには太宰さんの姿は無かった。
少しの間そこで呆然と立ち止まっていると、後ろに気配を感じた。
「おい」
「っうわぁ!」
気を抜いていたので思わず珈琲を落としそうになる。
振り向くと中原さんが無表情でこちらを見据えていた。
「お前ここで何してる」
「何、って……。
太宰さんに仕事を伺いに、ですよ」
すると中原さんは途端に私のことを哀れむような目で見た。
ん?と少し疑問に思ったが取り敢えず太宰さんのことを尋ねようと口を開く。
「あの、太宰さんが何処にいらっしゃるか知りませんか?また何処か任務に出掛けてらっしゃるんですか?」
中原さんは少し帽子に手を掛け、私から目を逸らした。
増々疑問が増えるばかりだ。
しかし中原さんは私の質問には答えずそのまま質問で返した。
「……どこまで知ってる」
「え?」
「ポートマフィアの現状を、お前はどこまで理解してるんだ」
ポートマフィアの、現状……?
「あの、最近は太宰さんに仕事がシャットアウトされてて……」
すると中原さんは目を閉じて呆れたように床に目を落とした。
「あの野郎、本当にAには何も伝えなかったんだな……」
……え?
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FR3kb7ywsKfcSOL(プロフ) - マジでそれな(^^)b (2020年5月29日 23時) (レス) id: e1643b3add (このIDを非表示/違反報告)
真依(プロフ) - それな( ´-ω-)σ (2018年6月2日 8時) (レス) id: 510e192a85 (このIDを非表示/違反報告)
fuwari - 私は治くんが世界一大好きなのですが...その気持ちものすごくわかります(*'‐'*) (2017年3月9日 23時) (レス) id: f502c3a9d5 (このIDを非表示/違反報告)
かなこ - 無気力感さんとは趣味が合いそうです!! (2017年1月22日 16時) (レス) id: 6ab3ea64fe (このIDを非表示/違反報告)
無気力感(プロフ) - 無名の中二病患者さん» 書いててそれ本当思ってました(´^ω^`)wそこはツッコまないで頂けると嬉しいです(o'3')b シ――――!! コメントありがとうございます(*´∀`*)ww (2016年12月23日 21時) (レス) id: a57f2ac744 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:無気力感 | 作者ホームページ:
作成日時:2016年11月20日 10時