怪力 ページ42
目の前に堂々と立つ人影が見える。皆んな動揺している様だった。然し皆んなも、ただの中学生ではない。良い加減見分けも付く様だ。
?「つまらぬ。足音を聞く限り、手強いと思える者が1人しかおらぬ。精鋭部隊出身の引率教師かぬ。如何やら、モズックは失敗した様だぬ。出てこいぬ。」
素手で窓ガラスにヒビを入れる。ゴリラが3人に増えた。此奴は怪力とでも名付けておこう。然し、烏間先生はダウンしている。その足跡とやらは私の事であろう。歳の把握もできないとは私なら勝てる相手だと言う事が検討付く。
そんな事より。少し気になる事があった。
貴赤「「“ぬ”多くね?おじさん。/多いと思う。怪力さん。」」
E「「言った!良かったカルマが居て!」」
千「意外に翠麗も神経が図太いんだよな。」
E「「うんうん。」」
怪「"ぬ"をつけると侍ぽい口調になると小耳に挟んだぬ。かっこよさそうだから、試してみたぬ。間違ってるのなら、それでもいいぬ。この場にいる全員を倒してから"ぬ
"を取れば恥にもならぬ。」
殺「素手...それがあなたの暗殺道具ですか....。」
怪「こう見えて需要があるぬ。身体検査に引っ掛からぬ、利点は大きいぬ。近づきざま、脛椎を一捻りぬ。その気になれば頭蓋骨も握り潰せるぬ。」
此れは中也と同じで脳筋タイプだ。納得できてしまう私も私だが。
中「お前亦失礼な事考えただろ?」
貴「知らない。」フイッ
中「おい。目を逸らすな。」
怪「だが、面白いものだぬ。人殺しの力を鍛えるほど暗殺以外にも試してみたくなるぬ。則ち、戦いぬ。強い敵との殺し合いぬ。だが、がっかりぬ。お目当てがこのざまでは試す気も失せたぬ。雑魚ばかり1人で殺るのも面倒だぬ。」
この怪力さんも毒使いと同じで結局はボスか。今分かった事だが、今回の主犯は暗殺者の使い方が下手だと言う事だ。暗殺者ならば暗殺者らしく、隠密に行動すべきだが、主犯に場所でも指名されたのだろう。足止めをしてくれなどと言われた。暗殺者は正面からの戦いに強くはないのだ。そんな事も知らずに指示を出している生半可な奴なのだろう。
怪「ボスを呼んで皆殺しぬ。」
私が行った方が良いだろう。そう思い、一歩前に踏み出す。其れと同時に横を通り過ぎていく人影が見えた。
赤「翠麗ちゃんは、下がってて俺が殺るから。」
以前のカルマとは少し違う。何か決定的な何かが。以前のカルマなら私は前に出ていただろう。だが、今のカルマなら絶対に大丈夫だ。彼の佇まいがそう教えてくれる。
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作者名:蜜柑食堂 | 作成日時:2023年3月2日 21時