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…あのね、父さん、母さん。

私は幸せだったよ。

もちろん今はとっても幸せだけど、

他人から見たらきっと今の方が幸せだと思うけど、

けど、家族五人で暮らしていた時も私は、本当に幸せだった。

ひとつのものを分け合うささやかな幸せも、幸せそうに笑う家族を見ているだけで自分まで幸せと思える暖かさも。

いつだって幸せだった。

…なんて、今日ふと気づいたんだ。

…父さんと母さんが死んじゃってから日々は目まぐるしく過ぎていって、

初めの頃はどうして死んじゃったの、なんてそればかりで、

落ち着いてから思うのは懐かしい思い出と、会いたいなぁ、なんてそればっかりで

そういえば一度もちゃんと伝えてなかったよね。

父さん、母さん。

私を産んでくれて、育ててくれて、幸せにしてくれて、

本当に、ありがとう。

本当はちょっとだけ今でも寂しいよ。

昔叶わなかったことは今、叶えることが出来るようになった。

けれどたったひとつ、父さんと母さんと会うことだけが叶わなくなってしまった。

本当はちょっとだけ悲しいけど、

会いたいって今でも思うけど、

私はきっと、これからも幸せに生きるよ。

前を向いて、どこまでもまっすぐに歩いていくよ。

いつ死んでしまうかなんてわからないけど、

父さんと母さんのことも、家族五人で暮らしていた日々も絶対に忘れないで、

大切な人皆守って、守って、守り抜いて、

しあわせに生きて、生きて、生ききって、

そうしていつかまた会えたら、

「私は幸せだったよ」って、

「私は幸せになるために生まれてきたんだ」って、

そう胸を張って言えるように。

だから、父さん、母さん。

私達の事、見守っててね。

ずっと、ずっと―――。




…ふぅ、と、息をつく。

どれだけ長い時間目をつぶっていただろう。

時透 有一郎
「終わったか?…行くぞ、姉さん」

時透 A
「うん、お待たせ。…帰ろっか。」

そういい両親の墓に背を向ける。

…また来るからね、父さん、母さん。

そうして私は、いつかの日のように、弟達と手を繋いで、そんなささやかなあたたかい幸せがあることを心から喜びながら、

ゆっくりと故郷を下りていった。


【秋の日のお祭り end】

るるっちのお部屋。22→←16



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るるっち(プロフ) - 優衣さん» ありがとうございます!お化け怖がってる子は可愛いの法則。どうやって柱時代任務を切り抜けていたのやら……笑 コメントありがとうございました! (9月15日 14時) (レス) id: ef030e36e0 (このIDを非表示/違反報告)
優衣 - お化け屋敷に行った時の有一郎が可愛いです♥️ (8月28日 23時) (レス) @page39 id: fa32b0552b (このIDを非表示/違反報告)
るるっち(プロフ) - Kk さん» そうおっしゃっていただけ光栄です!その通り、超吉ガールですw小学生の頃からの愛読書です。コメントありがとうございました! (6月25日 0時) (レス) id: 78fb67fc57 (このIDを非表示/違反報告)
Kk - このシリーズ大好きです!! 質問なんですが秋祭りの話15の大正にない小説は超吉ガールですか? (6月24日 22時) (レス) @page17 id: 51f0cf609d (このIDを非表示/違反報告)
るるっち(プロフ) - ナタデココさん» ありがとうございます!キャンプですね、了解しました。リクエストが立て込んでいるのでかなり遅くなると思いますがご了承下さい。いえいえ、大丈夫ですよ!おきになさらず。飴ちゃんありがとうございますw コメントありがとうございました! (2021年2月19日 2時) (レス) id: 124c6176e8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:るるっち | 作者ホームページ:http  
作成日時:2020年11月13日 8時

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