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【A side】
時透 A
「ぅ…」
小さく呻きながら目をあける。
…待って。目が覚めたら世界遺産級に整った弟の顔面×2のドアップってこれ何てご褒美?
とか呑気なこと考えてたら二人に一斉に怒声を浴びせられる。
時透 有一郎
「馬鹿!姉さんの馬鹿!!どうしてこんなになるまで無理するんだ!!揃いも揃って本当に父さんと母さんそっくりだな姉さんも無一郎も!!」
時透 無一郎
「姉さんっ…馬鹿、馬鹿っ!!どうしてこんなぼろぼろになるまでっ…心配したんだよっ、怖かったんだよ?歩が、姉さんが「僕らが待ってるし大したことないから」とかいって治療も受けないで帰ってきたって教えてくれて、僕…っ僕、姉さんは大好きだけど、帰ってきて欲しいけどっ、無理なんてしてほしくないっ…!!」
時透 有一郎
「…言っとくけど、俺も、その…お、同じ気持ちなんだからなっ…!!俺との約束は破りやがって、本っ当に馬鹿姉さんっ!!どこが「大したことない」んだよそういうのは普通「重傷」って言うんだよ!!…無傷で帰ってこいっていっただろっ…!!」
時透 A
「ご、ごめん…」
素直に謝ったけど二人はまだまだ止まりそうにない。
終いには関係ないことまで叱られた。
時透 有一郎
「はぁ…とりあえず今日はちゃんとゆっくり休め。…いいか、任務とか来ても絶対いくなよ。というか行かせないからな」
時透 A
「うん…ごめん、ありがとう」
ようやく二人の怒りがおさまった後、ゆうにそう言われ素直に頷く。
時透 無一郎
「…ねえ、姉さん。その怪我…鬼にやられたの?」
時透 A
「え?あ、うん。ちょっとやっちゃってさ…。
…あ、でも平気だよ?もう慣れてるし」
そういいニコッと笑うとゆうに「…何が平気だ、馬鹿」とデコピンされる。
時透 A
「へぁっ」
時透 有一郎
「ほら、こっち向けよ。…ったく、顔にまで傷作って、女の癖に…跡になったらどうすんだ」
何だかんだいいながらゆうがいつの間にか持ってきていた綿布や薬で頬の傷を治療してくれる。
口調は荒いけどその手つきはとても優しい。
時透 A
「…ありがと、ゆう」
そういうとちょっと目線をそらしながら、「別に…当然のことをしたまでだろ。礼を言われるような事はしてない」といってくる。
本当に私の弟は不器用な子だ。
…この時。
むいがキュッと唇を噛み締めていたこと、
そしてその思いも、
私達はまだ知らない。
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るるっち(プロフ) - 優衣さん» コメントありがとうございます!あの話はとても楽しみながら書いた覚えがあります笑 (9月15日 13時) (レス) id: ef030e36e0 (このIDを非表示/違反報告)
優衣 - 夢主ちゃんのドッキリがすごく面白かったです❗ (8月28日 11時) (レス) id: fa32b0552b (このIDを非表示/違反報告)
紬(プロフ) - はい!!!!そんなこと言っていただき光栄です//////めっちゃありがとうございます。 (7月1日 6時) (レス) id: c9acf0ff51 (このIDを非表示/違反報告)
るるっち(プロフ) - 紬さん» そうなんですかね。コメントって貰えたら貰えるだけ嬉しいものですし、私としてはなるべくその思いをお返ししたいと思ってます。しかし、こうして褒めて貰えると嬉しいものですね。こちらこそありがとうございます。 (6月30日 20時) (レス) id: ef030e36e0 (このIDを非表示/違反報告)
紬(プロフ) - おーーーー!それは素晴らしいですね。返信できる人ってなかなかいませんよ///本当にいろんな意味でありがとうございます。 (6月29日 16時) (レス) id: 3716f5de4e (このIDを非表示/違反報告)
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