【鬼滅の刃】時透の長女は弟達を溺愛したい。【時透兄弟】【短編集】

第一次時透大戦 1 ページ35

【炭治郎 side】

?? ???
「炭治郎っ!!!いる〜!?」

暑い夏の日、夏休みのとある一日。

暑い日に熱いパンを食べる気には皆ならないのか、かなりすいているここ竈戸ベーカリーに、黒髪の少年がそう叫びながら走って来た。

竈戸 炭治郎
「と、時透君!?どうしたんだ!?」

時透 無一郎
「あ、炭治郎また時透君って呼んだ…。
兄さんも姉さんもいるんだから無一郎でいいっていってるのに…」

竈戸 炭治郎
「ご、ごめんな無一郎君…じゃなくて!一体どうしたんだ?」

そう、入ってきた少年は同じキメツ学園に通う、中等部２年の時透無一郎君だった。

竈戸 禰豆子
「あら、いらっしゃい、無一郎。
けど他のお客さんの迷惑になるから静かにしてくれる?」

やんわり注意しながら店の奥から現れたのは、俺の妹・禰豆子。無一郎君と同い年で、それなりに仲もいいと聞いている。

時透 無一郎
「え、迷惑になるお客さん一人もいなくない?」

竈戸 禰豆子
「お兄ちゃんこの人殴っていい?」

竈戸 炭治郎
「キャラ崩壊になるからダメだぞ、禰豆子…」

普段温厚な人ほど怒ると怖いって言うよな。俺は今それを感じた。

竈戸 炭治郎
「…それで、何かあったのか?」

時透 無一郎
「…兄さんと姉さんと喧嘩した」

炭治郎&禰豆子
「…え?」

俺と禰豆子の声が揃う。

竈戸 炭治郎
「ど、どういうことだ?何でっ…」

無一郎君の双子の兄、有一郎君。無一郎君と共に将棋部で活躍する、禰豆子とも仲良くしてくれている少年。

そんな二人の姉であり俺らと同学年のAさん―A。

華道部で誰にでも分け隔てなく接するので人気者。俺達とも仲良くしてくれる。

時透姉弟といえば学園中で知られているし、兄弟仲が異常にいいのは周知の事実で、「セコム」「ブラコン」「シスコン」等とも言われるほど。

前世では一時期有一郎君と無一郎君の仲が悪かった事もある、と聞いたが、俺が彼らと出会った時には既に仲の良い兄弟だったし、有一郎君とだけでなくAとも喧嘩したというのは確実に異常だ。

竈戸 禰豆子
「あなた達姉弟が喧嘩だなんて…無一郎、あなた一体何したのよ…」

時透 無一郎
「何で僕がやらかした前提!?ううん、今回は僕絶対悪くない!!」

竈戸 炭治郎
「だから一体何が―――」

?? ???
「禰豆子っ!いるか!?」

2→←時透こそこそ噂話っ！１

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す