【鬼滅の刃】時透の長女は弟達を溺愛したい。【時透兄弟】【短編集】

時透兄弟、ネコを拾う。1 ページ29

本気でコメント来なくて笑う

???ざまぁwww

いや、だから誰だよお前

※今回ちょっぴりむいゆうじみてるかもです。
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【無一郎 side】

雨の日の任務、柱二人で駆り出されたにしてはそんなに強くない鬼だった。

返り血すら浴びない。僕も兄さんも無傷。これくらいならどちらか片方どころか癸隊員でも倒せるんじゃないか、なんて思う。

けど、まあいいや。僕はすぐにそう思い直した。

兄さんと一緒に歩いてお話したり出来る、そう考えればこんな任務もいいものだ。

そうだ、雨が降ってて寒い、なんて言ったら兄さんはどんな反応するのかな。そんなことを考えていたらさっきまで煩わしかった冷たい雨すら拝みたくなる。

時透 無一郎
「兄さん…寒い」

そういい隣を歩く兄さんの羽織をくいっと引くと、

時透 有一郎
「そうだな…じゃ、早く家帰るぞ。ここじゃ雨に当たって寒い一方だ。…お前が風邪引いたりしても困るしな」

と、ド正論をかまされた。

…いや、そうだけどさ。

ごもっともだけど、そうじゃなくて…

時透 無一郎
「…嫌だ。帰りたくない」

時透 有一郎
「は?」

時透 無一郎
「だってもう少し兄さんと一緒に話しながら歩きたいもん…」

ダメ?といいじっと上目遣いに兄さんをみる。

そう、これは僕が兄さんと姉さんのために編み出した呼吸―

―弟の呼吸・壱の型 おねだり、である。

効果抜群。兄さんは「う…」とつまった。

そしてはぁ、とため息をつき呆れたようにいう。

時透 有一郎
「お前なぁ…本っ当にお前ってやつは…」

僕ってやつは本当に何なのか、ちょっと聞いてみたかったけど確実に怒られるだろうしそしたら弟の呼吸(おねだり)を使った意味がないのでやめておいた。

直後本当に聞かなくてよかったと思った。兄さんがぶっきらぼうに「…んっ」と左手を差し出してきたからである。

優しいなぁ、兄さん…。何だかんだ言って手繋いでくれるとことか、本当に。

僕は兄さんの手を握った。じんわりと熱が伝わってきて、さっきまで冷たかった雨すら今は暖かく思える。

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