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【有一郎 side】
広い屋敷の中を歩き、弟の部屋の前につくと、そっと襖をあける。
無一郎は、すやすやと寝息をたてていた。
その寝顔は年相応のもので、同じ顔してる俺が言うのも何だが・・・可愛らしい。
そんな弟を起こすのは少し心苦しいがそんなことは言っていられない。柱の時間は無限ではないのだから。
時透 有一郎
「おい、無一郎。起きろ、朝だぞ」
そう呼び掛けながら、布団ごと無一郎をゆさぶる。
無一郎は「んぅ・・・」とか何とかいいながら寝返りをうつ。いつも通りだ。
時透 有一郎
「ほら、起きろ。・・・おい、起きろっ」
布団をひっぺがすと無一郎は「んっ・・さむい・・・」といい、くるんと丸くなる。
つんつんつつくと更に丸く小さくなる。
時透 有一郎
「・・・お前はダンゴムシか何かか」
俺に似てしまったのか、隊員達から「冷酷」と恐れられる無一郎のこんな姿を見たら隊員達はきっと全員頬をつねるだろう。
そんなことを思いながらしばらくあの手この手で起こそうとする。
すると、ようやく根負けしたらしい。無一郎は「うゅ・・・わかった、おきるよ・・・」ともごもご言った。
時透 無一郎
「ん・・・おはよ、兄さん」
時透 有一郎
「おはよう、むい「オハヨウ、無一郎!今日モイイ朝ネ!!」・・・」
俺の言葉を遮る甲高い声に思わず顔をしかめる。
時透 無一郎
「おはよう、銀子。・・・いつも言ってるでしょ、兄さんの話を遮ったら駄目だよ」
そう言い無一郎は声の主―無一郎の鎹鴉、銀子を撫でる。
銀子
「・・・無一郎ガソウイウナラ・・・ワカッタワ」
そういう銀子にもうひとつの声が飛ぶ。
??
「アラ、アンタイツモソウイウジャナイ!本当ニアンタッテ出来損ナイネ!コレ以上有一郎を困ラセルノハヤメテチョウダイ!!」
そう言うのは銀子の双子の姉であり、俺の鎹鴉・金子。・・・決して
・・・まあ・・・うん。気持ちはわかるぞ、金子。というか言いたいことはほぼ同じだ。
「ナンデスッテ〜!!」などと姉妹喧嘩を始める鴉達をみて苦笑いしながら、俺はもう一度無一郎に向き直る。
時透 有一郎
「・・・おはよう、無一郎。・・・早く準備済ましとけよ。」
時透 無一郎
「はぁい」
まるでセリフのように毎度毎度繰り返す会話を済ませ、俺は部屋を出る。
・・・さて、ここからが問題だ。
喧嘩し続ける鴉達を無視し、俺は小さくため息をついた。
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廣岡唯 - 3だあ (11月21日 13時) (レス) @page28 id: 4e6dbece94 (このIDを非表示/違反報告)
廣岡唯 - 面白いwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwキャラほうたい (11月21日 13時) (レス) @page4 id: 4e6dbece94 (このIDを非表示/違反報告)
るるっち(プロフ) - 優衣さん» ありがとうございます!今思えばキャラ崩壊させすぎでは……?と思う描写も多いのですがそれでも今なお楽しんでくれる方がいるというのは本当に嬉しい限りです。コメントありがとうございました! (9月15日 13時) (レス) id: ef030e36e0 (このIDを非表示/違反報告)
優衣 - このお話よくできてますよ👌すごく面白いですこの作品‼️特に無一郎と有一郎の3分クッキングが面白くてすごく笑いました❗無一郎と有一郎のキャラ崩壊がすごく面白いです✨ (8月27日 19時) (レス) @page44 id: fa32b0552b (このIDを非表示/違反報告)
紬(プロフ) - まじですか!!!!めっちゃ嬉しいです//////楽しみにまってます** (6月29日 16時) (レス) id: 3716f5de4e (このIDを非表示/違反報告)
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