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【有一郎 side】
時透 A
「…優しい子よ、ゆうは。あなたはそんなことない、って思ってるだろうけど。うまく表せないだけで、ゆうが優しい子だって事、私知ってるもの。」
姉さんはいう。哀しくなるほど優しい口調でそういう。
時透 A
「けどね、有一郎。むいはよくも悪くも素直な子だから、ちゃんと言わないと伝わらないこともあるかもしれない。…きっとこれはそうだと思う。…ちゃんと大切に思ってる事、いってあげないときっと後悔するよ、有一郎」
時透 有一郎
「…」
俺は、何も言わなかった。
両親がいなくなってから、二人きりになる機会があればいつも言われていることだったけれど、いつも俺は何も言わなかった。
時透 A
「…鬼殺隊にいる限り、皆、いつ死んでもおかしくないんだよね。
…まあ、鬼殺隊じゃなくてもそうだけど、鬼殺隊だとその可能性はぐっと上がる。
死と隣り合わせな仕事、それが鬼殺隊。」
そんなのわかってる。
わかってるよ、姉さん。
でもだから、だから姉さんや無一郎が鬼殺隊に入りたいって言い出したとき一番に反対したんじゃないか。
時透 A
「「また明日」、「今度は」、「次会うときには」…。
全部、ないかも知れない。自分のも、相手のも。
…もしも、もしもだよ?
ちゃんと「大好き」だって言えないままで無一郎が、有一郎が死んだら―」
無表情を、保ってはいた。
けど、心臓が姉さんにも聞こえるのではないかというほど大きく早鐘をうっている。
考えたことがない訳じゃない。無一郎を守るためだけに入った鬼殺隊。無一郎が入ると言って聞かないから、仕方なく入った鬼殺隊。だけど、それなりに覚悟はしていた。
けど。
…けど。
時透 A
「きっと、後悔するよ」
いつしか姉さんの手は俺の頭の上に無かった。
時透 A
「…私は、嫌だな…。
むいもゆうも本当に優しい子なのに、いい子なのに、勘違いされたままなの。
あと、何かあったとき、二人が後悔するのも」
隣の姉さんをふと見れば、月明かりに照らされて本当に綺麗で。
こんなこと考えてる場合じゃないとわかってるけど、何だか見とれてしまった。
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廣岡唯 - 3だあ (11月21日 13時) (レス) @page28 id: 4e6dbece94 (このIDを非表示/違反報告)
廣岡唯 - 面白いwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwキャラほうたい (11月21日 13時) (レス) @page4 id: 4e6dbece94 (このIDを非表示/違反報告)
るるっち(プロフ) - 優衣さん» ありがとうございます!今思えばキャラ崩壊させすぎでは……?と思う描写も多いのですがそれでも今なお楽しんでくれる方がいるというのは本当に嬉しい限りです。コメントありがとうございました! (9月15日 13時) (レス) id: ef030e36e0 (このIDを非表示/違反報告)
優衣 - このお話よくできてますよ👌すごく面白いですこの作品‼️特に無一郎と有一郎の3分クッキングが面白くてすごく笑いました❗無一郎と有一郎のキャラ崩壊がすごく面白いです✨ (8月27日 19時) (レス) @page44 id: fa32b0552b (このIDを非表示/違反報告)
紬(プロフ) - まじですか!!!!めっちゃ嬉しいです//////楽しみにまってます** (6月29日 16時) (レス) id: 3716f5de4e (このIDを非表示/違反報告)
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