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76,二度目 ページ26

A「おっと!」

碧井「わっ」

家の前の段差で躓いた彼女を抱きとめる。

碧井「もう…危なっかしいよ」

A「ごめんごめん…」

碧井「…!」

体勢を戻して離れようとしたら
彼女は謝りながら俺に抱きついてきた。

A「やっぱり暖かいなぁ」

碧井「ふふ、家でゆっくり暖まろ?」

A「碧井くんが1番暖かいのー」

碧井「そう?」

A「体温が心地良いから好き!」

碧井「!」

…嬉しくて、キュンとくる。



A「碧井くん…」

碧井「ん?」

A「したい…」

碧井「え…」

A「ん、」

碧井「…っ」

…彼女は目を瞑って上を向いた。
背伸びもしている。

碧井「うん…」

自分からキスを求めてくれたのがとても可愛くて…
俺も彼女を強く抱き締めて、キスをした。



唇を離し、腕の力も緩めたところで
今度は首に手を伸ばされる。

A「…もう一回」

碧井「!」

酔っているからだろうか。…かなり積極的だ。

そんな彼女もすごく可愛い。

愛おしい気持ちでいっぱいになりながら
もう一度、キスをする。





碧井「あ…、」

A「ん?」

車の音が近付くのがわかって、唇を離すと
彼女も不思議そうに振り返った。

A「あれぇ?この車…」

碧井「……」

見覚えのあるその車は、俺達の目の前で停まった。

A「やっぱり水無瀬さんだぁ。なんで?」

水無瀬「…お取り込み中でしたか」

碧井「はい…」

車から降りた水無瀬さんの表情は…あまり良くないな。

…タイミング的に、二度目のキスを見られたのだろう。
そりゃあ笑顔ではいられないよね。



水無瀬「………どうして?」

碧井「え…」

あまりに声が震えていたから。

水無瀬さんはもっと堂々としているイメージで
こんなに…不安そうな顔で弱々しい声を出すなんて…
思わず驚いてしまった。

水無瀬「彼とは…キスをするの?」

A「うん」

水無瀬「そういうの怖いって…」

A「大丈夫だったよぉ」

碧井「………」

水無瀬さんに対しては敬語だった筈だが…
酔ってる為か、タメ口になっている。

水無瀬「……お酒飲んでる?」

A「いっぱい飲んだぁ」

…これだけ普段と違えば、彼も気付いた様だ。



水無瀬「…酔っていたら、キスもできるの?」

A「えー?」

水無瀬「俺も、したいな」

碧井「…!」

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設定タグ:オリジナル , 男主人公 , 片想い   
作品ジャンル:恋愛, オリジナル作品
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作者名:麦兎 | 作成日時:2021年10月21日 0時

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