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69,情けない ページ19

水無瀬「それを言われたら
付いて行けなくなっちゃうよ」

A「ですよね」

水無瀬「……わかった。今日はここで帰るよ」

A「はい。今日はご馳走様です。
ありがとうございました」

水無瀬「うん、気を付けて帰ってね。…おやすみ」

A「おやすみなさい」



彼女が冗談を交えたお断りをしたら
水無瀬さんは素直に従った。

冗談だと知ったうえで、諦めたのだろう。

水無瀬さんの車は俺の隠れている場所とは反対側に
走っていったので、俺が見つかる事は無かった。

……こっち側に来たら逃げ場は無かったな。

碧井「危なかった…」



Aちゃんは水無瀬さんと分かれてすぐ
コンビニへと入っていった。

碧井「………」

……俺は、どうしよう。

だんだんと冷静さを取り戻してしまい

会いたい気持ちは変わらないものの
今俺が現れる不自然さへのフォローについて何の考えも無く
そこから動けなくなってしまった。

碧井「はぁ…」

馬鹿みたいだな…………。いや、馬鹿だな。



碧井「あっ……」

いつの間にか入っていた謎のスイッチがふと切れたみたいで
足の力が抜け、その場に座り込んだ。

碧井「やばい…酔ってる……」

酔いが回って、目眩がする。

碧井「情けない……」

自分に対して、何やってんだお前…と呆れてしまう。



A「碧井くん?」

碧井「わぁっ!」

名前を呼ばれて、つい声を上げた。

A「どうしたの…?」

顔を上げると、Aちゃんが
こちらを心配そうな顔で見ていた。

A「…体調悪い?何かいる?買ってくるよ。
それかすぐにでも寝た方がいいのかな……歩ける?」

碧井「えっと…」

座り込む俺の目線に合わせて
彼女もしゃがんでくれた。

A「めちゃくちゃ顔色悪いよ…」

顔色を確認する為か
彼女は両手で俺の頬を包んでいる。

…ひんやりしていて気持ちいい。

今の時期は外に出たらすぐに冷えちゃうよね。

俺は酔いのせいでまだ少し体が熱いから…
彼女の手がすごく心地良い。

碧井「大丈夫だよ……ごめんね」

A「大丈夫に見えない!」

碧井「ううん、大丈…夫……」

A「碧井くん!?」

体の力が抜けて、彼女にもたれ掛かってしまった。

A「と、とりあえず…ちょっとだけ頑張って!」

碧井「うん…」

なんだろう、すごく怠い。目眩で頭もぼーっとする。

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設定タグ:オリジナル , 男主人公 , 片想い   
作品ジャンル:恋愛, オリジナル作品
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作者名:麦兎 | 作成日時:2021年10月21日 0時

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