52,観覧車 ページ2
A「ごめん〜〜…」
碧井「あはは、怖かった?」
A「うん…」
お化け屋敷で、彼女は叫びまくっていたし
何度も抱きつかれた。
正直言うと
“子供騙し程度のクオリティ”だったと思うんだけど…。
それを言ったら怒られちゃうかな。
碧井「そろそろ観覧車に並んだ方が良いかもね」
A「もうそんな時間??」
碧井「うん」
観覧車は最後にとっておこうと決めていた。
A「楽しいと早いよね、時間って」
碧井「そうだね。あっという間だ」
観覧車の列に並び、しばらくして俺達の順番が来る。
「足元お気をつけてお乗りください」
A「はーい」
観覧車に乗り込む。
碧井「…隣、いい?」
A「うん。いーよ」
…よかった。俺の中ではちょっとチャレンジだったんだ。
彼女の隣に座り
ゴンドラが上がっていくのをゆっくり待つ。
A「あ!あれ里美ちゃん達じゃない!?」
碧井「本当だ」
上から、屋台で買い物する二人が見えた。
A「すごいねぇ…。全部光ってる」
碧井「うん、綺麗…」
だんだんと高くまで来て、園内のイルミネーションが
見渡せるようになってきた。
A「もうすぐ頂上だね」
ゴンドラは頂上付近まで到達している。
A「綺麗だなぁ…」
窓の外をキラキラした顔で見つめているAちゃん。
碧井「…Aちゃん」
A「ん?」
A「……っ」
名前を呼んで、こちらを見た彼女の唇に……キスをした。
彼女がすごく可愛く見えたから……
考える前に、動いていたんだ。
A「………」
碧井「…っ」
Aちゃんが身体を委ねてくれたのがわかった。
彼女を抱き締めて、キスをする。
A「……えっと」
碧井「……ごめん、急に」
顔を離すと、彼女の顔は真っ赤に染まっていた。
お酒は飲んでいないのに…こんなに赤くなるんだ…。
キスの時間はほんの数秒だったと思う。
でも、なんだかとても長い時間に感じた。
碧井「あのね…」
今、言おう。
ここで伝えなくては。
そう思った。
碧井「ずっと…Aちゃんの事が好きだったんだ」
A「…っ」
碧井「一緒にいる時間が心地良くて…すごく可愛くて…
だから、これからも一緒にいたい。好きであり続けたい」
A「碧井くん…」
碧井「俺と、付き合ってくれませんか?」
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作者名:麦兎 | 作成日時:2021年10月21日 0時