SUN【eiji】 (ページ16)

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#episode9【努力家】ページ16

「違う、そうやったらベチャベチャになっちゃう！！」

エ『難しすぎる！もうやらない！やらない！』

自分でやりたいって言い出したクッキー作りをたったの5分で断念してしまった彼に

「じゃあ視聴者さんに『エイジくんってなんでも出来るのにお菓子作りは出来ないんだあ～』って言われちゃうね～」

エ『…頑張ります』

そう、なんでいきなり教えてなんて言ってきたかと言うと次の企画でお菓子作り対決するから負けたくないとの事。

努力家で負けず嫌いで、手を生地まみれにしながら悪戦苦闘する彼の横顔を皆に見せてあげたいくらい

「じゃあ次型抜きね～」

型抜きしたらもう焼いていいの？時間は？教えてくれたら俺一人でやるからといきなり食い気味で聞いてくるえいちゃんに

「余熱しとくから型抜き出来たら全部乗せて15分で焼いてね」

そう言い残して昨日残したまんまだった仕事に取り掛かる

結構経ってから甘い匂いが漂ってきてそろそろ焼き終わったかな～と思ってリビングに戻る

エ『はい、あげる』

星型くり抜かれたクッキーにチョコペンで描かれた

"いつもありがとう"の字

「え～！嬉しい！！！ありがとう！」

エ『あ、あともう1枚ある』

そう言って取り出したのは

ハート型にくり抜かれたクッキー

裏を見ると

"好きだよ"

「…ねぇ、こんなの作っても食べらんないじゃん」

エ『えっ、なんで！？』

「勿体ない、折角えいちゃんが書いてくれたのに笑」

エ『そんなんいつでも作ってやるよ笑』

一緒に食べよ？そう言って二人で残ったクッキーを食べていたら

エ『…いつでも、とか言ったけど俺、Aが居ないとクッキー作れないからこれからも隣に居てよ』

不器用だけどそういうことサラッと言えちゃうえいちゃんはほんとにずるいんだよなぁ。