SUN【eiji】 (ページ17)

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#episode10【私の太陽】ページ17

午後10時すぎ

部長に企画発案者じゃないのに無理矢理連れていかれて、ずっと取引先の社長に腰を持たれて隣に座らせられていた

弱いお酒もたくさん飲まされて急な吐き気に襲われた為トイレに行こうとすると

部長『これで企画が通らなかったら君のせいだ』

なんて小声で言うから吐き気と頭痛に耐えながら

私の果たすべき役目はしっかり果たした

とりあえず今はえいちゃんに一刻も早く会いたくて

フラフラとした足取りで家へと急ぐ

「ただいま～…」

家に着いたのは11時過ぎ

リビングには編集中のえいちゃんがいた

エ『おかえり遅かったじゃん』

低くて、でも心地の良い安心感のあるを聞いた途端に

今までピンと張り詰められていた緊張の糸がプツンと切れた

「えいちゃん…あのねぇ…っ」

いきなり泣き始めた私に少しビックリしながらも

優しく抱きしめて背中をさすりながら

エ『うん』

って聞いてくれた

私が企画発案者じゃないこと

無理矢理その場に連れていかれたこと

ずっと気持ち悪かったこと

お酒をたくさん飲ませられたこと

トイレに行こうとしたら文句を言われたこと

全部全部話した

泣いててまとまりのない文でも一つ一つ正確に拾って聞いてくれるえいちゃん

エ『辛かったな』

そう言って頑張った頑張ったって背中を叩いてくれるえいちゃんは大人で

エ『Aは精一杯やり抜けたんだからすげえよ』

いっぱい泣いていいよってまた胸を貸してくれた