024 鷲掴みされたような ページ24
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大貴side
風鈴を見つめる横顔が、あまりにも綺麗だったこと。それとね、
｢………綺麗な音だね。｣
珍しそうな顔でこの音を聴く姿が、なんだか愛しくて。こういう、普通の人なら忘れちゃうようなこと、素直に『綺麗だ』って思えるの、なんかいいなって。
７日間なんて言わないで、何日でも何ヶ月でもいてくれないだろうか。
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午後。ガサゴソと倉庫から何かを引っ張り出してきたじいちゃん。
祖父｢かき氷食べるか？｣
大貴｢食べる！｣
業務用のかき氷機を綺麗に掃除しながら、得意げに笑うじいちゃんをよそに、ぽかんとするA。
そっか、知らないよな。笑った俺に膨れるところも可愛い。大丈夫。教えてあげるよ。
大貴｢夏の食べ物だよ。｣
｢夏の食べ物？｣
大貴｢そう。これで氷を削って、甘いシロップかけて食べんの。｣
まあ、そうだよな。かき氷なんて食べないよな。お嬢様は。
不思議そうにするAが可笑しくて、可愛くて、何度も笑ってしまう。
ガラスの器を恐る恐るセットしたA。｢じゃあ始めるから、器回してよ？｣と俺がスイッチを押すと、すごい音を出して動き始めたかき氷機。さすが業務用。音も勢いも人一倍。
でも、初体験のAにとっては衝撃だったようで、テンションの上がる俺とは対照的にスっと手を引っ込めて離れてしまった。
大貴｢びっくりしたね。ごめんごめん。｣
子どもみたいに目をきょろきょろさせるA。
ったく。どこまで虜にしたら気が済むんだよ。笑いかけた俺に、ゆっくり戻ってきてくれたAだけど、｢大貴くんがやって。｣と聞かなかった。だからスイッチはじいちゃんに任せて、今度は俺がやって見せる。
｢…………すごい、｣
すごいでしょ。ああほら。そのキラキラした目。吸い込まれそうになるんだ。
しかもこっち見て笑うから、もう。また心臓が鷲掴みされたような、そんな気持ち。
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むぎ(プロフ) - まくるさん» ありがとうございます！大変なご時世だからこそ、少しでもみなさまの息抜きになればと思っています(^ ^) この新作もキュンキュンしていただけるように頑張ります。これから色んな展開が出てきますので、最後までよろしくお願いします☆ (2020年7月4日 19時) (
レス) id: 88d801cec9 (このIDを非表示/違反報告)
まくる(プロフ) - 初コメント失礼します。新しい作品ですね、おめでとうございます！いつもキュンキュンしながらむぎさんの作品を拝見させて頂いております。こんなご時世で大変かもしれませんが、自分のペースでいいので更新頑張って下さいね♪ (2020年6月28日 18時) (レス) id: 968d5c61de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：むぎ
| 作成日時：2020年6月28日 15時
