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008 迷子 ページ8

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大貴side









あの不思議な出来事から1日。

今日もゲームや昼寝、ネットショッピングなんかをダラダラとしていたら、なんだかんだもう夜で。夕飯の後、俺はひとり散歩に出かけた。







スニーカーでサクサクと砂を踏みながらビーチを進む。もうすっかり日は落ちて、薄暗く、辺りには人はいない。そろそろ星も見え始める頃だ。









大貴「……………、」









ザーザーと波の音を聞きながら水平線を眺める。夜の始まり。蒸し暑かった空気も、爽やかな夜の空気へと変わっていく。そんな午後7時。









大貴「うわっ!!!」









波打ち際から少し離れた、ビーチの端っこ。

視界の隅に何かが映り、そっちに視線を向けると、地べたに座り込み、肩を震わせる女の子がひとり。





情けないくらいの大声を出してしまった。









大貴「…………ちょっと、大丈夫?」






「……………」






大貴「具合でも悪い?いつからここにいるの?」









体が冷えきっているのか、声をかけても動かない。

膝を抱えて俯いたまま、俺の問いかけにも小さく首を振るだけで。隣にしゃがんだ俺が顔を覗き込み、







大貴「…………迷子?」








と尋ねると、今度はこくりと頷いた。

そしてゆっくりと顔を上げたその女の子は、









「…っ、」









クリっクリの大きな目を見開き、茶色い瞳でまっすぐに俺を見た。そして直後には、何故か嬉しそうに微笑んでいる。




……可愛い。

何、すげー可愛いじゃん。









まるで俺を知っているかのような反応。わかんないけど、どっかで会った?俺が覚えてないだけ?

っていうか、そんな格好で見つめられると……









大貴「と、とりあえず、服着なよ。」





「……ない、」





大貴「な、ないの?ずっとこの格好でここにいたの?」





「うん。」









上下真っ白のビキニ姿。そりゃ寒いよ。風邪引いちゃうよ。それに高3男子には色んな意味で刺激が強い。ドキドキを必死に隠しながら、羽織っていたパーカーを急いで脱いだ。









大貴「これしかないけど、ないよりいいかな。」





「……ありがとう、」









そのパーカーを肩にかけると、少しピクっとして彼女が俺を見上げた。

可愛い。その上目遣いも。





ドクンドクンと鼓動が速くなった。









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むぎ(プロフ) - まくるさん» ありがとうございます!大変なご時世だからこそ、少しでもみなさまの息抜きになればと思っています(^ ^) この新作もキュンキュンしていただけるように頑張ります。これから色んな展開が出てきますので、最後までよろしくお願いします☆ (2020年7月4日 19時) (レス) id: 88d801cec9 (このIDを非表示/違反報告)
まくる(プロフ) - 初コメント失礼します。新しい作品ですね、おめでとうございます!いつもキュンキュンしながらむぎさんの作品を拝見させて頂いております。こんなご時世で大変かもしれませんが、自分のペースでいいので更新頑張って下さいね♪ (2020年6月28日 18時) (レス) id: 968d5c61de (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:むぎ | 作成日時:2020年6月28日 15時

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