センチメンタルパレード

010 友達１号 ページ10

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｢お、俺んち、って………｣




大貴｢まあ父ちゃんが経営してるってだけなんだけどね。今日めっちゃ晴れてたから、花壇に水やってこうと思って。｣




｢優しいね。｣




大貴｢んなことないよ。不法侵入さんのせいでまだできてないし？｣








ふふふ、と。

いたずらする子どもみたいな顔で、彼は笑った。









｢、ごめん……｣




大貴｢冗談だって。｣









ぷっくりした丸いほっぺた。愛らしい笑顔。

制服の男の子って、こんなにかっこいいんだっけ。









大貴｢入る？｣




｢えっ、いいの？｣




大貴｢なんも動いてないけどね。｣









可愛らしい笑顔で振り返った彼は、見知らぬわたしを疑いもせず、温かく迎え入れてくれた。









大貴｢そっか、転校してきたんだ。｣




｢うん。｣








花壇の花にジョーロを傾ける彼の横顔に、なんだかドキドキしているのは気のせいか。









大貴｢じゃあ俺が友達１号？｣




｢えっ、？｣




大貴｢いつでもおいで。俺がいる時だったらタダでいいから。｣




｢っ、｣








ぽん、と頭に乗せられた手。

そのままふわふわと撫でられて、顔が熱くなった。今どきの高校生は、初対面でもこんなことするの？罪だ。こんなの罪。









大貴｢………可愛い、｣




｢、え？｣




大貴｢ふふ。なんでもないよ。｣









彼がぼそっと呟いた言葉。恥ずかしくて聞こえないフリをしたけど、本当は、どうしていいかわからなかった。









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