スクラブ男子 2nd season (２)

059 ぷつりと糸が切れたように ページ10

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二段ベッドの下。

よかった、彼のベッドが上じゃなくて。そう思いながらごろんと転がるけど、まったく落ち着かない。薄暗い、静かな仮眠室なのに。








不安に押しつぶされていないだろうか。彼のことだから、別に気にもしていないかな。

いや、さすがに今回のことは大きすぎるよね。だって、もし陽性なら、致死率が高いかもしれない………。どうしたらいいの？彼がいなくなったら、わたしとこの子は、どうやって………









山田｢…大丈夫？｣









ぽろぽろと涙がこぼれていく中。上のベッドから、ちらりと顔を出してくれた山田先生。うるさかったかな。









｢ごめんなさい。……起こしちゃいましたね、っ｣






山田｢んや、違うんだけどさ………｣









それからは、迷惑にならないように声を押し殺して泣いた。

彼の匂いのするタオルケットにくるまって、朝まで。目を閉じても眠れないし、時間も進まない。だけど朝はやってきて。顔だけ洗って軽くメイクをして、ナースステーションに顔を出した。









すると、ステーションにかかってきた1本の電話。

きっとそれは、結果をPCで確認した藍沢先生からのもの。がちゃ、と咄嗟に受話器をとって対応する山田先生。はい、はい、って落ち着いた返事をいくつも返して、受話器を戻した。そして、









山田｢今ね、藍沢先生が結果を確認してくれた。陰性だって。よかったね？｣





ごくり、と涙を飲み込むように山田先生が告げる。

どぐんどくんと波打っていた心臓。ぷつりと糸が切れたように。温かいものが体に流れ込むみたいに。安心した心が、また涙を溢れさせる。









｢…っ、う｣





伊野尾｢………よかったね、っ｣









伊野尾くんも、めずらしく目を赤くしていて。みんな心配してくれてたんだなって、更に涙が溢れる。だけど、安心したのと、ずっと緊張してた体の気がふっと抜けたことで、急に足に力が入らなくなって、









山田｢Aちゃんっ！？｣






岡本｢っ、｣









ふらっと倒れかかったわたしを抱きとめたのは、ちょうどナースステーションにやってきた岡本くんだった。









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