スクラブ男子 2nd season (２)

065 忠告 ページ16

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名取side









緋山｢あんたさ、ここで大喧嘩したらしいじゃん。｣





藤川｢え、Aちゃんと？｣





白石｢らしいね。わたしも聞いちゃった。｣









その日の当直。

周りは先輩ばっかりで、必然的に話のターゲットは俺になる。どこから情報を得たのか、緋山先生と白石先生にはバレてるし。









緋山｢だから言ったのに。｣









はぁ、って大きなため息をつきながらノートパソコンとにらめっこする緋山先生。確かに言ってた。早めに手を打たないと喧嘩になるぞって忠告してくれてた。なんだかんだ言って、いつも俺とAのことを気にかけてくれるから。









藤川｢え、それでどうなったの？ちゃんと仲直りした？｣





名取｢…いや、｣





緋山｢は？あんたそのまま帰したの？｣





名取｢帰したっつーか、｣









実家に帰れだの距離を置いたほうがいいだの最低な言葉をいくつも投げたことを正直に言うと、死ぬほど呆れた表情で緋山先生が目を閉じた。









緋山｢……あのさ、｣





白石｢最低だね。｣









特に重たく言うわけでもなく、いつものフラットなトーンでこちらもパソコンの画面を見つめながら言う白石先生。天然っぽいその発言に緋山先生が堪えきれず少し笑っている。それに、え？わたしなんか言った？みたいな顔で何も気づいてない白石先生がまた面白くて、長年やってきた仲間の雰囲気なんだろうとつくづく客観的に思うけど。









緋山｢仮にも妊婦だよ？｣





名取｢………はい、｣









責め立てられて、どこか安心する自分がいたんだ。









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