13.〈テラス席〉 ページ14
・
「いやあ、実は君とずっと話がしてみたくてね」
『……それはどうも…』
────あの後、
中也さんに連れて来られたのはお洒落な喫茶処のテラス席だった。
其処で待っていたのは、ポートマフィアの首領である森鴎外。
頭の何処かで薄々気付いていた気がした。
此方に気付いた森さんが笑顔で手を振って来た瞬間に、「あ、これヤバい」と本能が警鐘を鳴らした。
すぐさまUターンして逃げようと思ったものの、中也さんに笑顔で止められて今に至る。
もう絶対に不用意に路地裏に入ったりしないと心に決めた。
「そんなに警戒しないでくれたまえ。自分の命令を自分で破る程私も莫迦じゃないよ」
円形のテーブルの向かい側に座る森さんは、
ニコ、と胡散臭い笑みを浮かべる。
如何しよう、今直ぐにでも帰りたい。
『…話とは何でしょう』
「まあまあ、そんな固くならないで。
昔みたいに��リンタロウおじちゃん��って呼んでくれて良いんだよ？」
その言葉に、口元が引き攣る。
そして森さんの後ろの席に座っていた中也さんが珈琲を吹き出した。
『知ってたんですね…私が思い出した事』
「まあね。忘れていると気付いた時には凄く傷付いたのだよ？」
何処かで見たような身振りをする森さん。
福沢社長と昔会った事があったように、森さんとも実は面識がある。
薄っすらとだけど、当時の二人の関係性も覚えている。
『昔話をする為に幹部まで使って私を連れて来たんですか？』
「うーん、其れは半分正解で、半分不正解だ」
芝居がかった動作で、口角を上げる森さん。
矢っ張り流石太宰さんの元上司だと思う。
二人共言動が少し似ている気がする。
「昔の幼い頃の君の話をしても良いのだけれど、其れはまた今度にしよう。
今日はもう少し真面目な話だよ」
その紅い瞳がじっと私を見据える。
急に雰囲気が変わって、私も少し身を硬くした。
「中也くんと君の関係は私も認知している。
何、君が探偵社に入る前からの関係だろう。直ぐに別れろとは云わないよ。
……でもね、探偵社とポートマフィアが衝突する事になったら、傷付くのは君達なんだよ」
そう云う森さんの目は、何処か悲しい色をしていた。
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奏翔 - とても面白いです！更新待ってます！頑張ってください！ (2023年3月21日 20時) (
レス) @page50 id: 49dd49021f (このIDを非表示/違反報告)
ナナ - とても面白かったです！更新楽しみにしてます！ (2023年3月17日 10時) (レス) id: e237c48342 (このIDを非表示/違反報告)
麦子(プロフ) - 瑠李さん» ありがとうございます！( ；ᵕ； ) これからもお付き合い頂けると嬉しいです！ (2023年2月3日 7時) (レス) id: 064241d233 (このIDを非表示/違反報告)
瑠李(プロフ) - ﾟ+｡:.ﾟおぉ(*ﾟOﾟ *)ぉぉﾟ.:｡+ﾟめっちゃ楽しみに待っていました٩(๑>∀<๑)۶更新ありがとうございます<(_ _*)>麦子さんの小説は大好きです。頑張ってください。これからも応援してます。 (2023年1月19日 0時) (レス) @page48 id: 6b9c5dcab8 (このIDを非表示/違反報告)
麦子(プロフ) - Senaさん» コメントありがとうございます！とても嬉しいです…😭更新頑張ります！ (2022年5月2日 1時) (レス) id: 064241d233 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：麦子
| 作成日時：2018年4月28日 20時
