17.〈毒林檎〉 ページ18
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『あ"〜疲れた……』
現役JKとは思えない声が出た気がする。
どうも最近は疲れが溜まりやすい。
何なんだ、老化か？
「Aもお菓子屋さん行きましょうよ！」
と云うエリスちゃんのお誘いを断るのはかなり大変で。
埒があかないから強引に逃げる様にして帰って来た。
多分夜は中也さんに怒られる。
『早く帰ろ…』
夕飯の食材が詰まった袋を持ち直して、仕事帰りの大人達が行き交う繁華街を歩く。
近道の為にこの道を選んだ訳だが、
客寄せのお兄さんに捕まる事数回。
ナンパ男に捕まる事数回。
怪しすぎるスカウトマンに捕まる事数回。
何回かは走って逃げた。
私の辞書に「裏路地」と「繁華街」には不用意に行ってはいけないと書き足された。
『あ、』
そしてそんな事をしてるうちに、人にぶつかって袋から林檎が転がり落ちた。
其の儘林檎は道の端まで転がって行く。
本当に今日はとことんついていない…
そんな事を思い乍ら追いかけて行くと、人の足にぶつかって止まった。
青白い手が林檎を拾い上げる。
『あ、すみませ………』
顔を上げた私は、言葉を詰まらせた。
拾い上げたのは不思議な格好をした男だった。
青白い肌は透けてしまいそうで、身体も細い。
それだけならただ「不健康」の一言で終わる。
でもそんな彼を表すなら……��異様��。
纏う空気が、普通ではなかった。
氷点下の極寒の地の様な冷気を感じる。
こんな季節なのに鳥肌が止まらない。
この賑わう繁華街の中で一人ポツンと浮き出たような、其処だけが闇に飲まれてしまったかのような…
彼の後ろにある先の見えない暗い路地の所為だけじゃない。
直感で判る。
��この人には関わってはいけない��
「どうぞ？」
『！、あ…すみません、有難うございます…』
思わず固まってしまった身体を無理矢理動かして、彼が差し出した林檎を受け取った。
…何だろう、毒林檎を受け取った気分だ。
この人が触れる物は全て、毒を持ちそうな気がしてしまう。
「此の儘だと危ない」
そう知らせる本能に従って、軽くお辞儀をしてその場から走り去った。
『……っ、』
モヤモヤとした嫌な何かが心臓に纏わりついたみたいだ。
───あれは普通じゃない。
どうやらとんでもない人と接触してしまったよう。
…今日はとんだ厄日だ。
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奏翔 - とても面白いです！更新待ってます！頑張ってください！ (2023年3月21日 20時) (
レス) @page50 id: 49dd49021f (このIDを非表示/違反報告)
ナナ - とても面白かったです！更新楽しみにしてます！ (2023年3月17日 10時) (レス) id: e237c48342 (このIDを非表示/違反報告)
麦子(プロフ) - 瑠李さん» ありがとうございます！( ；ᵕ； ) これからもお付き合い頂けると嬉しいです！ (2023年2月3日 7時) (レス) id: 064241d233 (このIDを非表示/違反報告)
瑠李(プロフ) - ﾟ+｡:.ﾟおぉ(*ﾟOﾟ *)ぉぉﾟ.:｡+ﾟめっちゃ楽しみに待っていました٩(๑>∀<๑)۶更新ありがとうございます<(_ _*)>麦子さんの小説は大好きです。頑張ってください。これからも応援してます。 (2023年1月19日 0時) (レス) @page48 id: 6b9c5dcab8 (このIDを非表示/違反報告)
麦子(プロフ) - Senaさん» コメントありがとうございます！とても嬉しいです…😭更新頑張ります！ (2022年5月2日 1時) (レス) id: 064241d233 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：麦子
| 作成日時：2018年4月28日 20時
