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Y side
───怒らせてしまった。
足早に出て行く背中を呆然と見詰め乍ら、身体の温度がどんどん下がっていくのを感じた。
「Aさん…大丈夫でしょうか」
「…………、」
彼女が出て行った方を見て心配そうに呟く金髪の少年。
確か…名前は賢治さんと云っただろうか。
僕は黙って俯く事しかできなかった。
数分前の自分を殴りたい。
僕が、調子に乗ってあんな事云わなければ。
「僕、あんなに怒ってるAさんは見た事がありません」
「え…」
冷え切った体がまた更に冷たくなった気がした。
本当なら直ぐにでも追いかけて謝り倒したいところだった。
……でも。
��もう私に付き纏わないで。迷惑��
あんな冷たい目で云われたら…動こうにも動けない。
それも、好きな人から云われたら尚更だ。
「取り敢えず、一度探偵社に戻って報告してみます。ご協力有難う御座いました」
「あ、はい…」
何事も無かったかの様に書類を片付ける賢治さんは、何時もと変わらない様子だ。
仕事中だから仕方ないとは思うけど…
「…大丈夫ですよ」
「へっ？」
賢治さんの声に俯いていた顔を上げる。
素っ頓狂な声が出たけど、それを気にすることなく賢治さんは微笑んだ。
「心から謝れば、きっとAさんも許してくれます。
人は、素直に気持ちを話せば通じ合えるものですから」
「────！」
見開いた目が、少し潤んだ。
真っ直ぐすぎる言葉が今は物凄く、心に刺さった。
「そう…ですよね。
有難う御座います、僕…行ってきます！」
決意と共に拳を強く握り締める。
そして勢い良く席を立つと、お代を置いて急いで篠崎さんを追いかけた。
・
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麦子(プロフ) - キティさん» 有難うございます、そちらも近いうちに完結させます！ (2018年4月28日 20時) (
レス) id: 564537986a (このIDを非表示/違反報告)
キティ(プロフ) - いつも楽しく読まさせていただいてます！deadAppleの方の続き、気になります！ (2018年4月25日 0時) (レス) id: 3776331f45 (このIDを非表示/違反報告)
麦子(プロフ) - rikoriko51さん» やっぱり何度も観たくなっちゃいますよね！ (2018年4月16日 7時) (レス) id: 564537986a (このIDを非表示/違反報告)
麦子(プロフ) - 高坂美月さん» 有難うございます、かっこいいと思って貰えて嬉しいです！頑張ります！(*^^*) (2018年4月16日 7時) (レス) id: 564537986a (このIDを非表示/違反報告)
rikoriko51(プロフ) - 私は映画を二回見に行きました。 (2018年3月21日 20時) (レス) id: a789258bf1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：麦子
| 作成日時：2018年3月11日 14時
