JKとちびっこマフィア 2

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『……はあ…』



盛大な溜め息をついて肩を落とす私。



「うふふ、楽しみだねぇ」



そして隣でにこにこと笑うのは、珍しく…て云うか初めて見るスーツ姿の太宰さん。


今日はいよいよ作戦決行の日。

ペアの太宰さんと一緒に潜入するのですが……



「お前らは夫婦の設定だからな」

『……はぁ！？』



会議で知らされた内容が何とも…

何で太宰さんと私が夫婦……

落とした視線の先の左手薬指にはキラキラ輝く指輪が嵌っている。


真逆初めてつける結婚指輪がこんな所でなんて…


また頭を抱える。



「おいA、何時までしょげている」

『国木田さん……私とチェンジしませんか…』

「莫迦者。もう時間だ、行くぞ」


「え、えーっと、頑張りましょう！」

『…ううぅ、有難う敦くん…』



時計を確認して、スタスタと歩き出す国木田さん。

と、唯一励ましてくれる敦くん。

二人も正装に身を包んでいる。

今すぐにでもハグしたいんだけど、谷崎くんが頑張ってセットしてくれた髪型が崩れちゃうからね。


時刻は17時。

此処は横浜の港。


そして、目の前にある大きな船。

これが今回潜入する舞台だ。


事前に調べた情報によると、

全長約300m、幅約40m、乗客定員3000人…

とまあ意味が分からないくらいでかい。

明かりがついて輝くそれは、船というより建物の様で。

これが動くなんて信じられないなぁ…


改めて「ダイヤモンド・プリンス号」を見上げていると、



「さァて、私達も行きますか。太(・)宰(・)夫(・)人(・)？」



隣に並んだ太宰さんが微笑んで手を差し出して来た。


むかっとしたけど…したけど！

…………悔しいけどかっこいい。




『………そうですね、あなた』



手を取って、ニッと笑ってみせる。





此処まで来たらもうヤケだ。

こうなったら最後まで太宰夫人を演じてみせる！



気合いを入れて、停泊する豪華客船へと歩み始めた。



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