検索窓
今日:9 hit、昨日:14 hit、合計:291,862 hit

52. ページ5

You side







「………で、詳しく聞こうじゃねェか」



中也さんの自宅にて怪我の手当てをしてもらっている所なのですが、

その間にもこの人は何が有ったのかを知りたいらしい。



『太宰さんの云ってた通りですよ。通り魔に襲われたんです』



有った事を正直に話したら、あの芥川君と呼ばれた男の人はタダでは済まない。

そう判断した私は、嘘を貫き通す事にした。



「……ほーう」

『…信じてませんね』

「まァな」



……チッ。

流石幹部。

虚言は通じないらしい。



「……別に、話したくないなら話さなくていいけどよ」

『……』



そう云いながら包帯を巻く中也さん。

もう…ほんと、ズルい。

結局、優しいんだもん。



『……じゃあ、これを聞いても絶対に殺さないでくださいね?』

「誰をだよ」

『私に怪我させた人』

「…多分な」



あー、これ一発殴るくらいはするやつ。

まあ…良いか。←


あっさりと話す事にした私。

中也さん相手に隠し事なんて出来る訳がなかった。


簡潔に伝えると、眉に皺を寄せて明らかに怒った顔になった中也さん。



「……で、其奴の名前は」



…芥川君、ごめんなさい!

心の中で全力で謝って、ついに口に出した。



『…芥川』

「…あく……はぁ!?」

『知ってるんですか?』

「知ってるも何も……」



嗚呼…やっぱり知り合いだったか。

明日にでも芥川君は負傷する事になるなぁこれは…



「あんの野郎……」



グシャッ、と音を立てて中也さんの手の中の絆創膏の箱が潰れた。

…これは完全に怒ってらっしゃる……


芥川君、ごめんなさい。(2回目)



53.→←51.



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (212 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
473人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

麦子(プロフ) - Aliceさん» すみません、ご指摘ありがとうございます! (2018年1月13日 16時) (レス) id: 564537986a (このIDを非表示/違反報告)
Alice(プロフ) - 毎度楽しく読ませて頂いております。profileの最後、湊かなえさんの作品が「花の鎖」ではなく「八月の雪」になってますよ (2018年1月13日 15時) (レス) id: 9007c89a5c (このIDを非表示/違反報告)
麦子(プロフ) - 美玲さん» はい私もおかしいと思ってました笑 右腕だけを絡ませた事にしておきます笑 (2017年12月6日 17時) (レス) id: 564537986a (このIDを非表示/違反報告)
美玲 - すごく余計な事かと思うのですが、50話の”彼の右腕に自分の腕を絡ませれば”の部分、主人公は左腕を怪我しているので、右腕に腕をからませえば、左右どちらでも中也さんの服に血がついてしまうのではないでしょうか?(マフィアは気にしないと思いますが) (2017年12月6日 13時) (レス) id: 11b58ea605 (このIDを非表示/違反報告)
麦子(プロフ) - 紫 LizZ(カレーの妖精愛してる)さん» わーありがとうございます!頑張ります! (2017年12月4日 23時) (レス) id: 7a9f7e3baa (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:麦子 | 作成日時:2017年10月1日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。