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一郎さんに頼まれた依頼は、やはり一筋縄ではいかなかった。
事務所に突入したところ、丁度お仕事の真っ最中だったようで。
ガラの悪い男達が一斉にこちらへ振り返った時の迫力ったらもう凄かった。
「何だこの美人……」
「オイ嬢ちゃん、ここはテメェみたいなカタギが来る所じゃねぇぞ」
『そう言われましても、こちらも仕事なので』
「説得して欲しい」という依頼だけど、相手が相手なので多少実力行使をしても許されるだろう。
つまり「説得(物理)」という訳だ。
ただしこちらからは手を出さない。
あくまでも正当防衛として。
『このビルの管理人さんから依頼を受けた者です。立ち退きの話は聞いてますよね?』
「ああ知ってるぜ。何だ、嬢ちゃんが俺達を追い出すのか?」
『はい。どんな手段を使ってでも出て行ってもらます』
「ハハハ!そりゃあおっかねえ話だなァ!面白れぇ、やってみな!」
……まあそこからは分かりますよね。
ええ、事務所で喧嘩です。
そこまで人数は居なかったから、優勢のまますぐ終わると思っていた。
けど、金庫から拳銃が出てきた辺りから流れは変わってしまう。
流石そちらの筋の方達の事務所だ。
根絶された筈の武器が普通に出て来るんだから。
前回左馬刻さんに助太刀した時に見た拳銃は弾が込められていなかったけど、今回は違うらしい。
弾丸が頰を掠めた時は本気でやばいと思った。
そしてこのままだと命が危ないので、手っ取り早く窓から飛び降りる事に。
……まさか下に観音坂さんが居るとは思ってなかったけど。
無事(?)着地した後は皆さんご存知の通りです。
「こんな怪我する訳だよ、全く…こんな無茶はやめなさい。君は女の子なんだよ」
『う、ごめんなさい…』
話し終えた後、案の定神宮寺先生に怒られた。
シンジュクの大人はしっかりと叱ってくれる人が多いのかな。
「それで、その依頼っていうのは大丈夫なのかい?」
『ああ……多分警察に連絡する事になると思います』
「まあそうだろうね……今度からこのシンジュクで困ったことがあったら、いつでも私のところへ連絡しなさい」
『はい…助かります』
長い指でペンを取り、メモ用紙にスラスラと番号を書いてくれる先生。
やっぱり神だ……と心の中で合掌した。
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みゆ - 続き気になります〜!更新待ってます! (1月20日 15時) (レス) @page34 id: 38735f9208 (このIDを非表示/違反報告)
アリス - 続き気になる〜更新がんば (2022年5月20日 21時) (レス) @page34 id: e3725c1631 (このIDを非表示/違反報告)
ベル(プロフ) - え?続きが気になるぅ!!更新頑張ってください! (2021年9月11日 0時) (レス) id: efb845659a (このIDを非表示/違反報告)
しっとりチョコがすごく食べたい。 - うぅ……癒しを!!癒しを恵んでください!!更新待ってますぅぅぁぁぁ!! (2021年1月10日 15時) (レス) id: 7e61cd56ff (このIDを非表示/違反報告)
けい - お話めっちゃ面白いです!更新頑張ってください! (2020年12月25日 16時) (レス) id: 54e19010c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:麦子 | 作成日時:2018年12月6日 22時