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「実は依頼が一気に入っちまって、とても1人じゃ捌けなくてな…」
『ほお……それは大変ですね』
そうなんだよ〜と言う一郎さんは、確かに疲れた顔をしている気がする。
萬屋の仕事の内容は知らないけど、萬って言ってる位だからきっとハードなものもあるんだろう。
とまあそんな事を数秒で考えた私は、次の瞬間には口を開いていた。
『分かりました。お手伝いしますよ』
「さんきゅ!マジ助かるぜ」
「にいちゃん、俺も手伝うよ!」
「おう、じゃあ三郎と頼む」
「え"っ…う、うん!もちろんだよ!」
こうして、一郎さんの手助けとして萬屋ヤマダで短期バイトをすることになりました。
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『んーと………ここかな?』
数日後。
一郎さんから渡された紙を頼りに、私はシンジュクまで来ていた。
記念すべき1つ目の依頼は、
「どれだけ言っても立ち退かない人がいるので、どうにか説得して欲しい」
という依頼。
そのくらい自分でやれよというツッコミは無しだ。
ここで口を出したら萬屋の仕事が無くなってしまうから、素直に従うとしよう。
『……うーん…』
ここは雑居ビル。
もうほとんど廃墟みたいな見た目だけど、一応まだ人が出入りしているらしい。
その中に1つだけ残っているフロアが、その立ち退かない人がいる所だ。
そして私は今そのフロアにある、事務所らしき扉の前に突っ立っています。
「おいゴラァ!!舐めた事言ってんじゃねぇぞ!!」
「早く金返せって言ってんだろ!!」
……依頼人が自分で説得できなかった理由が、ようやく分かった。
この事務所、どうやらそちらの筋の方達が構えるやつみたいだ。
一郎さんへ連絡……はやめておこう。
確か今日は遠い所へ行っているはず。
私がSOSを出せば、きっとすぐに来ようとするだろう。
ただでさえ疲れている彼にそんな事させたくない。
となれば……
『……行くか』
私が、やるしかない。
靴紐を結び直して、髪の毛も持っていたゴムでまとめる。
あとは準備運動も忘れずに。
ほら、もしかしたら動くかもしれないじゃん?
『よしっ!』
気合いを入れて、いざ出陣です。
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みゆ - 続き気になります〜!更新待ってます! (1月20日 15時) (レス) @page34 id: 38735f9208 (このIDを非表示/違反報告)
アリス - 続き気になる〜更新がんば (2022年5月20日 21時) (レス) @page34 id: e3725c1631 (このIDを非表示/違反報告)
ベル(プロフ) - え?続きが気になるぅ!!更新頑張ってください! (2021年9月11日 0時) (レス) id: efb845659a (このIDを非表示/違反報告)
しっとりチョコがすごく食べたい。 - うぅ……癒しを!!癒しを恵んでください!!更新待ってますぅぅぁぁぁ!! (2021年1月10日 15時) (レス) id: 7e61cd56ff (このIDを非表示/違反報告)
けい - お話めっちゃ面白いです!更新頑張ってください! (2020年12月25日 16時) (レス) id: 54e19010c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:麦子 | 作成日時:2018年12月6日 22時