ちょっと強くなりすぎた。2【hpmi】

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『ここはね、この公式を使って解くんだよ』

「へえー、なるほど」





お昼を食べた後、 そのまま帰る訳にもいかず何かお礼としてお手伝いをしたいと申し出たところ、

「課題が終わってない」

と言う二郎くんの先生役をする事になりました。

時間は一郎さんが帰って来るまで。

家に帰っても暇なだけだし、二郎くんと2人でお留守番しながらお勉強っていうのも良いでしょう？





「解けた！すげえ、分かりやすい！」

『ほんと？初めて言われた』

「数学の上田より教えるの上手いっす」

『ああ…その先生、分かりにくい事で有名だからね…』

「マジか…どーりで授業中に皆揃って首傾げてる訳だ」





二郎くんと他愛もない会話をしながら勉強を教えている内に、気付けば空はオレンジ色になり始めていた。

空になったマグカップを持って立った時、ちょうど玄関の方から扉が開く音がした。

英文法に苦戦している二郎くんの代わりに出てみると、一郎さんが帰ったようで。





『おかえりなさい、一郎さん』

「…は？A？？」

『あっ、不法侵入とかじゃないですからね！？』





そう言えば何も伝えていなかった事を思い出して慌ててそう言うと、一郎さんは「それは分かるっつの」と笑った。

二郎くんの家庭教師をしていた事を伝えると、お礼と一緒にその大きな手で頭を撫でられた。

思わずドキッとしてしまったのは仕方ないと思う。





「で、二郎は課題終わったのか？」

「うん！たった今終わったよにいちゃん！」

「良くやったな〜」





頭を撫でられて嬉しそうにしている二郎くんをニコニコしながら見ていると、「あ、そうだ」と一郎さんが何か思い出したように私の方へ向き直って来た。

何だ？





「A、萬屋(うち)でバイトする気ないか？」

『……はい？』





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