ちょっと強くなりすぎた。2【hpmi】

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「お姉さんひっさしぶりー！」

『おわっ…お、お久しぶりです飴村さん』





勢いよく抱き着いてきた乱数を流石の体幹で受け止めて、Aは少し困った顔で乱数を見た。



あの後。

帝統と幻太郎とファミレスを出た所までは良かったのだが、何故か乱数の事務所へ一緒に行く事になったのだ。

当然Aは「何で私も？」と思ったのだが、どうやら乱数から連れて来いと連絡があったらしい。


恐らくこれを親友に知られればきっと恨まれるだろうから、この事は黙っておこうとAは心に決めたのだった。





「約束通り来てくれたんだね♡僕嬉しいよ！」

『はい、丁度シブヤに用事もあったので』

「そうなんだー！
あ、それってもしかして、この前一緒だったあのお姉さん？」





乱数が言うその「お姉さん」とは、きっと聖羅の事だろう。

ズバリと当てられて、内心どきりとした。

Aがどうして分かったのか聞くと、乱数はにこっと可愛らしい笑顔を見せた。





「さっき僕のデザインしたグッズを買ってくれてたからね〜♡
きっともうそろそろ買い物終わるんじゃないかな？」





どうやら彼は先程、その聖羅が行っているショップへ行って来たようで。

そこで聖羅を見かけたらしい。

マジな目で買い物をしている彼女は、異様な存在感を放っていたそうだ。





「せっかく集中してるのに、声かけたらダメかなって思って、そのまま来ちゃった」

『そ、そうなんですね…』





乱数の話すその状況を、Aは容易に想像できた。

昔から好きな事となると、残念なことになるしそういった謎の集中力を発揮するのだ。

本当に残念な美少女である。





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