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「兄ちゃん聞いて!今日ね、面白い人と会ったんだ!!」
お使いに行かせていた二郎が帰ってくるなり、俺の部屋に飛び込んで来た。
せっかく今日発売のラノベを読んでいたのだが、可愛い弟の話を優先しよう。
栞を挟んで本を閉じた後、俺の返事を待っている二郎の方に向き直る。
「おかえり二郎。面白い人って?」
「ただいま!あのね、今日近道しようと思って通った路地で───……」
待ってましたとばかりに話し出す二郎の話に耳を傾ける。
やたらと目をキラキラさせながら話した内容はこうだ。
柄の悪い奴らばかりが彷徨く場所を通った時、異常に喧嘩に強い女の子を見つけた。
何でも1人で屈強な男数人を倒したとか。
そしてその子は実は同じ高校の先輩で、えげつない美少女だった、と…
「………うーん、アレだな。ラノベのヒロインみたいな子だな」
「それは俺も思った!」
馬鹿みたいに喧嘩が強くて、とんでもなく顔が綺麗な女子高生だろ。
なんかそんな感じのラノベ前に読んだ気がするな。
最強美少女ってアニメとかラノベの中の話だけだと思ってたぜ。
いや、まさか現実にいるなんてな。
「その二次元少女、俺も気になるな」
一度お目にかかりたいものだな、なんて。
・・・・・・・・・・・・
『つっっっ…かれたーー!』
帰宅するなり、ベットにダイブ。
お昼には帰って来るつもりだったのに、壁の時計は3時を指している。
近道だからってあの道を通った訳だけど、まさかあんな足止めを食らうなんて思いもしなかった。
まあ二郎くんとの出会いは良いとしてだ。
『もう暫くはあそこ通れないわ…』
深い溜め息を吐いて、シーツに顔を埋める。
チクショウ…大切な時間を無駄にさせやがって…
あの男達マジ許さん。
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麦子(プロフ) - いまづきさん» ありがとうございます。頑張ります(*^^*) (2018年12月6日 18時) (レス) id: 7a9f7e3baa (このIDを非表示/違反報告)
いまづき(プロフ) - 早く続きが読みたいですね! 応援してます! (2018年12月5日 23時) (レス) id: 14b35c0538 (このIDを非表示/違反報告)
麦子(プロフ) - すらいみーる@元もちづきさん» リクエストありがとうございます…!了解しました! (2018年11月26日 18時) (レス) id: 7a9f7e3baa (このIDを非表示/違反報告)
すらいみーる@元もちづき(プロフ) - リクエストなんですが、主人公ちゃんと二郎が二人っきりでいちにいが帰ってくるまで留守番するお話読んでみたいです…!! (2018年11月25日 23時) (レス) id: 3b52443fef (このIDを非表示/違反報告)
麦子(プロフ) - 錐さん» ありがとうございます。とても嬉しいです。 (2018年11月23日 23時) (レス) id: 7a9f7e3baa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:麦子 | 作成日時:2018年9月22日 11時