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時間は流れて放課後。

今日最後の授業が終わった後、急いで教科書をロッカーに押し込め帰り支度をして教室を出た。

その時に聖羅が「私も行きたかったぁぁぁ!」と机に沈んでいた。

3年連続校内ミス1位を獲得している彼女だが、自分の好きな事となるととても残念な事になってしまうのが玉に瑕だ。

まあ本当の顔は私しか知らないのだけど。


そんな親友を残して向かったのは、一階上にある2年生の教室。

部活に行く人や帰宅する人の波に逆らって何とか教室までたどり着き、近くにいた生徒を捕まえて目当ての人物を呼び出してもらう。

少し廊下で待っていようと壁に寄りかかると、めちゃくちゃジロジロ見られた。

学年の違う人がいると見ちゃうよね。分かる。





「先輩」





単語帳に目を落としていると、頭の上から知った声が降ってきた。

顔を上げれば、鞄を持って帰り支度を済ませた二郎くんが。





「何かすんません…俺のワガママに付き合ってもらっちゃって…」

『ううん!全然大丈夫だよ』





申し訳なさそうに眉を下げる二郎くんを見て慌てて首を振る。


……我ながら、何故こんなに二郎くんと打ち解けられているのかは謎だ。

偶然本性(?)を見られてしまったからとかそういう理由もあるのかもしれないけど、多分この子は他人の懐に入るのが上手いのだと思う。

聖羅に聞いた情報によると、上と下に兄弟がいるらしく、彼は三兄弟の真ん中の子。

真ん中の子は世渡りが上手いって話は間違いではないのかもしれない。

あと私も長女だから、ついつい弟を相手するみたいになってしまうっていう事もあるのかも。





「そうだ、ちょっと確認したいんすけど、先輩ってもしかして……」

「あれ、姉ちゃん?」





二郎くんの言葉を待っていたその時、彼の声を遮ってきたのはついさっき思い浮かべたばかりの人物だった。

驚いたような顔で駆け寄って来る、私と同じ目の色をしたこの子。





『翼』

「何でここにいんの?」

『いや、こちらの方に用があって』

「用?…って、山田?」

「先輩…もしかしてこいつって…」

『あ、うん。私の弟』





私がそう頷いた時の二郎くんの顔は、何とも間抜けな顔だった。

少し笑ってしまった事は許して欲しい。








_____________________________________








オリキャラ2人目の登場です。


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麦子(プロフ) - いまづきさん» ありがとうございます。頑張ります(*^^*) (2018年12月6日 18時) (レス) id: 7a9f7e3baa (このIDを非表示/違反報告)
いまづき(プロフ) - 早く続きが読みたいですね! 応援してます! (2018年12月5日 23時) (レス) id: 14b35c0538 (このIDを非表示/違反報告)
麦子(プロフ) - すらいみーる@元もちづきさん» リクエストありがとうございます…!了解しました! (2018年11月26日 18時) (レス) id: 7a9f7e3baa (このIDを非表示/違反報告)
すらいみーる@元もちづき(プロフ) - リクエストなんですが、主人公ちゃんと二郎が二人っきりでいちにいが帰ってくるまで留守番するお話読んでみたいです…!! (2018年11月25日 23時) (レス) id: 3b52443fef (このIDを非表示/違反報告)
麦子(プロフ) - 錐さん» ありがとうございます。とても嬉しいです。 (2018年11月23日 23時) (レス) id: 7a9f7e3baa (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:麦子 | 作成日時:2018年9月22日 11時

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